第14話 異界突入 異界なんてモノは拳で壊せ!!

 僕の能力『ファントム・マジシャン』は、ありとあらゆる事から自分の身や指定した他者の身を護る能力だ。


 僕は基本的には『ファントム・マジシャン』の力を防御の方面で使う事が多い。


 しかし、その力を攻撃の方面で扱えばとてつもない破壊力になる。直人の話によると『ファントム・マジシャンの破壊力と僕の身体能力と組み合わせて扱うと世界を崩壊させる可能性がある』らしい。


 だから僕と力と『ファントム・マジシャン』が100%の力を発揮させない為に力を抑え込む効果がある呪いの道具をいくつも渡された。


 僕は『十和子』という少女に勝つ為にその力を解禁した。


鉄也

「『ファントム・マジシャン』!! 『惑星破壊わくせいはかい』!!」


 『惑星破壊』は、『ファントム・マジシャン』の防御力を攻撃力に変換して右手の拳に圧縮する技だ。ありとあらゆる防御、能力による効果を全て打ち砕く技だ。まぁ、平たく言えば物凄く破壊力のあるパンチを繰り出せるようになる技だ。


 僕は『惑星破壊』により、強化された右の拳を床に叩き付けた!!


 その瞬間、床の時空に亀裂が入る。その亀裂は広がりまるでガラスをコンクリートの壁にぶつけたようヒビ割れていき、その空間は砕けていき、僕等は下へと落下していく。


コウ

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!? 床がっ!? いやっ!? 床だけじゃねぇ!? この『異界』の空間が壊れていく!?」


アルト

「鉄也のパンチは世界さえ壊せる威力だったんたね」


牧男

「な、なんかアニメでしか起きない現象が目の前で起きているんだけど!?」


「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!? 落ちる!? 落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる!?!? 落ちちゃうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅ!?!? わ、私達!?!? 落ちてるううううううぅぅぅぅ!?!? どうううううぅぅぅぅぅぅぅぅなっているのよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?!? 何が起きているのよおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」


ゴスペル

「にょぉぉぉぉ。落ちるぅぅぅぅにょ♪ 落ちるぅぅぅぅにょ♪ オイラ達ぃぃぃぃは落ちるぅぅぅぅにょ♪」


「ちょっと!! そこのデカいの!! なんでアンタはそんなに余裕なのよおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」


ゴスペル

「にょおぉ……。鉄也様は昔から無茶をなさる方だったから慣れたにょ……」


コウ

「ちなみにゴスペル」


ゴスペル

「にょ?」


コウ

「今回みたいな事は前にもあったか?」


ゴスペル

「にょ? 結構あるにょ」


「結構あるんだ!?!?」


牧男

「うわっ!? スカートが捲れちゃう!!」


株鳥

「今!! スカートとか気にしている場合ではないと思うでござるよおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」


土絵夢

「ほほぅ!! 落下プレイか!! 新しい!!」


コウ

「……鉄也……。お前、昔っからいろんな意味で無茶をするよなぁ……。俺も経験あるなぁー……。昔、俺と鉄也と任務行ったら時に敵に囲まれちまった事があってな……。『もう、ダメか。ここまでか』と思った時に鉄也が真顔で『面倒だから全員ぶっ倒す』とか言っていきなり地面殴りつけて地割れを起こして敵兵を全滅された事があったなぁ……。懐かしい……」


ゴスペル

「にょおぉ……。鉄也様は昔から無茶をなさるお方だからにょ……」


「ふぁっ!? じ、地割れ!? な、なんなのよ!? なんなのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?!? コイツ等!! 頭おかしいんじゃないの!?!?」


コウ

「てか鉄也。お前、何したの?」


「私の話は無視するの!?」


鉄也

「え? 簡単に言えば殴って『異界』をぶっ壊した」


コウ

「『異界』が壊れるとどうなるんだ?」


鉄也

「『異界』に入っていたモノは全部『異界』を創り出した場所に強制的に出される」


コウ

「最初からそれ使った方が早かったのでは?」


鉄也

「『呪いの道具』を壊すと直人に怒られるからあまり使いたくないんだよ。100%の力を出せる状態じゃないとここまで創り込まれた『異界』は壊すの難しいしね」


コウ

「そういうモンなのか?」


鉄也

「そういうモノなの」


「アンタ等何者なのよ!?」


鉄也

「おぉ……。一般の人ってこの程度の事で驚くのか……」


コウ

「……俺は時々、お前がサイコパスなんじゃねぇかって思う事があるよ……。サイコパス診断やってみたら?」


鉄也

「家に帰ったらやってみる」


「なんでアンタ等この状況でそんな会話が出来るのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」


コウ

「慣れているから」


鉄也

「慣れいるからだよ」


ゴスペル

「鉄也様に仕えるとよくある事にょ」


牧男

「慣れるの? この状況を? 僕はありえない事が起き過ぎて逆に冷静なってきたよ」


「パニックを通り越して冷静になる牧男くんもまた素敵!!」


 そして、周囲が光に包まれ気が付くと『十和子神社』の賽銭箱前にいた。


 周囲を見渡すとコウ、姉さんは着地に成功している。ゴスペルは牧男さんと雫さんの下敷きになっていた。株鳥さんは地べたに倒れ、土絵夢さんは頭から落下したのか首から上が地面に埋まっている。


 そして少し離れた場所に彼女が倒れ込んでいた。そして行方不明になった方々も周囲に倒れている。


十和子

「な、何が!? わ、私の世界が!?」


鉄也

「どうも。また会いましたね」


十和子

「あ、貴方が私の世界を……?」


鉄也

「はい。壊させてもらいました。あのまま戦ったら不利だったので」


十和子

「本当に貴方って存在は恐ろしいわね……。けど、私の準備は整ったわ……」


鉄也

「僕も力を抑え込む物を全て壊したので全力で戦えますよ。コウ……」


コウ

「『人払いの箱』の箱は起動させた。これで8時間は10km以内いる能力を持たない奴はこの近くには寄って来ないぜ」


鉄也

「さて、僕も全力を出す!!」


 僕は『覚』の構えをする。


鉄也

「さぁ、覚悟はいいか? 僕はいつでも構わないぞ」


十和子

「その余裕な顔を……歪ませてあげるわ……」


 彼女の背後から漆黒の影が現れる。その影から20mの長さはある巨大な黒い蛇が現れた。


十和子

「私の持つ、最強の切り札。『黒煙の大蛇こくえんのだいじゃ』」


鉄也

「そっちが切り札を使うならこちらも使わせてもらう」


 僕は『ファントム・マジシャン』を『銀河』の姿にして身にまとう。


十和子

「さぁ……始めましょうか……」


ーオマケー


株鳥

「鉄也殿って見た目、小さくて可愛いのに物凄いパワーがあるってなかなか萌えポイント高いのではござらんか?」


ゴスペル

「鉄也様、また1人男を惚れさせてしまったにょ」

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