第229話

人生で初めて20連勤という地獄を経験しました……

流行病め……

陽性者→濃厚接触者→陽性者の負のスパイラルは本当にヤバかった……

マスク、手洗い、うがい、消毒、換気までやっても広がる地獄。

久々の休日(1日)なので短いですが更新。

ユルシテ(>人<;)






気を取り直して、厳重に封がされている箱に目を向ける。


『やけに厳重だねぇ。一体何を仕舞ってあるんだか……一応チェックしておくとするよ?』


解析アナライズ


明らかに厳重に封がされている箱を魔法にてチェックするリオ。


しかし……


上から光が下に向かって行く途中で光が弾かれるようにして消えた。


『なんだって!?』


声をあげたリオに驚く2人。


「ど、どうかしましたか……?」


解析アナライズ


やはり先ほどと同様に光が弾かれるようにして消えた。


うーん。うーん。とリオのうなり声が聞こえる。


リオがその後もいろいろと魔法を発動させているのか、謎の箱がピカピカ光ったりカタカタ音がしたりとしている光景をラグナはただ見守る事しか出来なかった。


しばらくして、リオからのふぅ~というため息が聞こえた。


『駄目だ~。賢者ともあろう私ですら全く調べられないよ~。この箱に魔法的な付与がされてるのは確実なんだけどさぁ~。調べようにも魔法が弾かれちゃうんだよねぇ。無理矢理開けるのはヤバメな品だよ~。』


リオですら解析する事が出来ない箱。


「け、賢者様でもわからないですか……」


そう言われると目の前にある箱の存在が少し怖くなってくる。


『何もわからないって訳じゃ無いんだよ~。中身が調べられないってだけでさぁ~。』


そしてリオから語られた一言。


『この箱には魔族が関わっているのは確実だよ~。魔法の使い方っていうか、癖?みたいなものが人類とは異なるんだよね~。』


とんでもない爆弾だった。


「魔族だと!?本当に魔族が関わっていると!?」


これが事実だとすれば、ここ数ヶ月のヒノハバラでの異変も当然かもしれない。


『まぁほぼ確実だと思うよ~。こういう時にルテリオが居たらすぐに判るんだろうけどねぇ。魔法についてはあっちの方が得意だからさぁ。でもまぁ、いくらエルフとはいえ流石にもう生きてはいないと思うけど……』


部屋の空気が重苦しい雰囲気のまま話し合いは終了した。


謎の箱については賢者リオと神殿にて預かる事になり、慎重に解析していくらしい。


「一応書類などは調べていくが……この件で商業ギルドが動く事は厳しいだろう。そんな事をすれば机が無くなった件に関して私達が関わりましたと言っているような物だからな。出来るとすればヨハム公爵の敵対派閥にそれとなく伝えるくらいか……」


ヨハム公爵が魔族と関わりがあると大々的に発表する事も厳しいとの事だった。


「発表する事は出来ないが、商業ギルドの信頼できる幹部とこの国の王族で情報を共有する事になるだろう。ラグナ君もこの件に関しては内密で頼む。後の判断は国に任せる。後は……エチゴヤにも情報共有しておくとするか……」


慌ただしく動き始めた商業ギルドを後にしたラグナは、街をぶらりとする気分にもなれずに宿へと戻ることにした。


「はぁぁぁ……」


露天風呂に浸かりながら深い深いため息を吐くラグナ。


急に力を付けたヨハム公爵。


王の異変。


第一魔法師団の暴走的な実験。


全て魔族が関わっている可能性があると判れば納得がいく。


「だからと言ってもなぁ……」


可能性があるとはいえ、自分ではどうにもならない。


あまりにも事が大きすぎる。


「ブリットさん達はどうするんだろう……」


ケーヴィンさんはエチゴヤにも情報共有すると言っていたが……


ブリットさん達はその情報を得た結果、どう動くのだろうか。


妹や村の子供達は大丈夫だろうか。


それに学園で知り合った皆は大丈夫だろうか。


そして、両親や村長。狩人達は無事なのだろうか……


考えが纏まることなど無く、ただただ深いため息を吐く事しか出来なかった。




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