第39話
味付け無し。
塩味。
塩胡椒。
アウトドアスパイスほり○し。
今日は今の所4種類の味のワイルドボアステーキを食べた。
結構お腹が苦しくなってきた。
4枚のステーキを食らった最後の〆はこれだろう。
「母さん、ちょっと作ってみたい料理を思いついたんだけど手伝ってくれる?」
「料理?ラグナが?まぁいいわよ。何をすればいい?」
「まだ飲んでないけどスープって作ってたよね?」
「作ったけどお肉でお腹いっぱいになるかなぁって出さなかったのだけど。」
「ちょっとだけスープ貰える?」
「いいわよ。それで何をすればいいの?」
先ずはカチコチに硬くなっている黒パンを細かく切り刻んでもらう。
もう中までパサパサ。
細かく切り刻んでパン粉にしていく。
切り刻んだパン粉に母さんが作ってくれたスープをほんのりパン粉が湿るくらいの量を振りかける。
そして次はお肉。
「父さんとハルヒィさんも手伝って。このお肉をひたすら細かく切り刻んで。」
2人がひたすら肉を細かく切り刻む。
「こんなん食えるのか………?」
「肉って切り刻んでると粘り気が出てくるのか。」
大の大人2人が肉をミンチにしていくシュールな姿。
2人が切り刻んだミンチ肉をボウルなんて物が無いから代用で使っていない鍋に入れる。
そのミンチ肉の中にスパイスを振りかける。
その後にキノコとスパイスで味付けしたスープを振りかけたパン粉を鍋に入れる。
本当なら手を冷たくした方がいいんだろうけど……
「母さん、このお鍋の中の材料を2人でコネていくよ。」
ミンチ肉とパン粉をコネて混ぜ込んでいく。
徐々に粘り気が出てくる。
「なんか子供の頃の泥団子を思い出すわね。」
ハンバーグの形は泥団子の形でもいいか。
面白そうだし。
「そしたらこのお肉を一口サイズの泥団子みたいにコロコロしていくよ。」
母さんと俺でどんどん丸くした肉の固まりを量産していく。
目の前に並べられていく肉団子。
「父さんとハルヒィさんの2人は肉の団子を上から鍋の蓋ちょっと押しつぶして楕円状にしてそれを焼いていって。」
ハルヒィさんが肉団子を鍋の蓋で上から押しつぶしていく。
「このくらいでいいのか?」
「うん。大丈夫。どんどんお願い。」
ハルヒィさんが形を整えた肉を父さんが焼いていく。
ジューー。
「うぉっ!」
肉を焼き始めた父さんが声をあげた。
「父さん、どうしたの?」
何かあったのだろうか。
「いや、ちょっと肉汁?の量が多くてびっくりしただけだ。」
どうやら美味くいっているみたい。
流れ作業でどんどん肉団子を量産。
「肉団子10個くらいは母さんが作ってるスープに入れて煮込んでもいい?」
「この団子?そうねぇ。どうせなら入れちゃいましょうか。」
肉団子10個はスープの中で煮込んでいくことに。
そして。
「全部焼けたぞー。」
「こっちもお肉に火が通ったわよ~。」
目の前にはハンバーグもどきと肉団子スープが並べられた。
「肉を刻んでるときはどうなることやらって思ってたけどいざ焼いてみるとなかなかに美味そうだな。」
「スープもお肉の味が染み込んで美味しくなってるわよ。」
「それじゃあ食べてみよう!味は保証しないよ!」
「保証しないのかよ!」
「当たり前でしょ。初めて作ったんだし。」
「知ってるレシピなのかと思ってたら初めてだったのかよ。」
そりゃ作ったことなんて無いからね。
ソロキャンの時に作ってみようかなぁってネットでレシピを見ただけだし。
ハンバーグもどきに箸を入れる。
箸を突き刺した所から流れる肉汁。
先ずは一口。
ステーキの時以上に口の中に溢れる肉汁。
噛めば噛むほど味が出てくる。
ハンバーグソースなんて無くても全然大丈夫。
ほのかに香るキノコスープの風味もいい感じ。
「ステーキ以上に肉汁が凄いな。」
「キノコスープの香りも感じるわ。」
「ステーキ以上に軽々と食べれちゃうな。」
大人3人もどうやらハンバーグの虜になりつつあるみたい。
それじゃあ俺はお次に肉団子スープでも。
ずずっ。
「はぁ。温かい。お肉とキノコの出汁がスープに出てて美味しい……」
身体がぽかぽかとしてくる。
「肉団子がキノコの出汁を吸い込んでこっちはこっちで美味しいよ!」
みんなスープを飲み始める。
あれ?
今気がついたけど……
「みんないつの間にかお酒飲んでたんたね。」
「この肉には酒だろ~。」
「この肉団子を潰して焼いたやつが本当酒に合うなぁ。」
「ハルヒィさんはご飯食べて帰ったら掃除って言ってなかった?」
「こんな美味い物を腹一杯食べて飲んでした後に掃除なんて無理だ!今日はもう諦めた!」
独り身な理由が少し見え隠れしてる気がするよ。
お腹いっぱい食べたから少し眠くなってきた。
本当に肉が美味しかった。
創造神様からこのスキル貰って本当に良かったなぁ。
ラグナはお酒を飲みながら騒いでる大人達の側で丸くなりながら眠りについた。
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