第4話
スマホの充電良し。モバイルバッテリーOK。荷物もさっき確認して抜けは無し。
食料は途中にある道の駅とスーパーで買う予定として…
一応いつもの天気予報でも見ておくか。
「今日の天気は晴れ。 降水確率は0% 風も強くないので今日は紅葉もゆっくり見れて観光には一番の日になるでしょう♪でも今日は残念だけど平日ですね。それじゃあ皆さんお仕事頑張って下さいね!いってらっしゃい!」
心の中で『行ってきます』と返事をしている男達は多々居るだろうな。
まぁ俺もその中の1人なんだけど。
「母さん!父さん!それじゃあ行ってくるよー。」
「怪我にだけは気を付けなさいよ!」
「熊だけには気を付けろよ~!あれには勝てないからなぁ~。」
幾つになっても母親には心配されるけど…
父さん…
キャンプ場で薪割り中に熊とばったり出会った瞬間。
手斧で熊に襲いかかったあんたには言われたくないわ。
何が先手必勝だよ。ワンパンで返り討ちにされたじゃないか、あんた…
唐辛子成分入りの催涙スプレーを俺が持ってなかったらあなたは熊のお腹の中だったじゃないか。
まぁいいか。助かったし。
「行ってきま~す。」
わくわくしながら先ずは道の駅で食材探し。
野菜はもちろん購入。
まさかの熊肉を発見。
これはもう買うしかないな!
でもね。あれだけは無理だ。
熊の手。
まんま熊の手じゃないか。
毛もついたまま。
あんなんどう頑張っても調理できる気がしないわ!
結局道の駅で買った物。
地元の取れたて野菜。
熊肉。猪肉。鹿肉。
だって気になるじゃん。
普段は牛・豚・鶏・頑張ってラム。
他の肉を食べる経験なんて滅多に味わえないし。
初めてのソロキャンプで初めて食べるお肉。
うん。大丈夫。大丈夫だよね?
まぁ駄目だとしてもそれはそれで思い出にはなるしね。
そしてキャンプ場近くのスーパーで足りない物を買い足して、次はいよいよキャンプ場。
受付を済ましていよいよ設営の場所を探しにふらふら。
キャンプ場の敷地内には小さい小川が流れていて場所によっては川を眺めながら木々の隙間から富士山が見える場所もある。
ふらふらしているとなんかここで設営しなきゃって思える場所に着いた。
目の前は緩やかに流れる小川。
不自然にぽっかりと石が退けられてる地面。
きっと誰かが以前設営したときに整地したんだろうな。
地面が平らに均されてるし。
テント設営が簡単に出来そうだ。
とりあえず荷物を地面に置いて椅子を組み立てて座ってみる。
あぁ。ここは椅子に座るとわかる。
木々の隙間から富士山が見える。
立ってるときは木々に阻まれて見えないけど椅子に座った時だけ富士山が見える。
こんなベストポジョンだから気がついた人が整地したんだろうな。
ありがとう。整地してくれた人。
初めてのソロキャンプは素晴らしいスタートになりそうだよ。
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