「ロイさん。最後はロイさんの力を見せてくれませんか?」

「力?」

「はい。私の力は大体分かったと思います。ロイさんの力を見てみたいです」

 剣を鞘に納め、後ろに軽々と飛び、ロイの隣に立つ。

「よろしくお願いします」

 彼女の方を見ていた俺は、仕方なく一体のダークウルフ見直す。

 俺は剣を抜き、視界に入って、勢いよく走ってくるダークウルフを待ち構える。

 ダークウルフは休む暇もなく雄叫びを上げ、牙をむき出しにして噛みつこうとする。

「……」

「すごい……」

 ただ殺気を放っただけで、ダークウルフは攻撃をやめた。

 俺と間を取って、動きが鈍っている。

 さーて、このダークウルフはどうやって動いてくる。

「殺気だけで……」

「ま、ざっと、こんなもんだろ」

 攻撃が鈍り、ダークウルフの勢いがなくなる。

 ダークウルフは、一歩ずつ後ずさりする。

「さーて、次は容赦しないからな」

 ダークウルフは、覚悟を決めて俺の方に飛びかかってきた。それを剣で受け止め、左手で、ダークウルフの腹に拳をぶつける。

 ダークウルフは吹き飛び、チャンスになった俺は、剣を振り下ろす。

 反撃は来ず、防御もする暇もなく、俺の攻撃はダークウルフを真っ二つにした。

 胴体部分が真っ二つになった後は、そのまま地面に落ち、発光して消えた。

「あんな意図も簡単に終わらせるなんて」

 終わったことを確認したリーシャは近づいてくる。

 彼女は俺がこれほどの力を持っているなんて思っていなかっただろう。

 暗殺者【アサシン】の彼女とは違い、剣士と魔術師の組み合わせの俺には楽だった。

「まぁ、これくらいは楽勝だろ。でも、お前もなかなかやるな。これなら何とかなるかもしれない」

「そ、そうですか。ありがとうございます!」

 俺は、自然と彼女の頭をなでた。

 リーシャは、少し恥ずかしそうにしていた。

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