Ⅳ
「ロイさん。最後はロイさんの力を見せてくれませんか?」
「力?」
「はい。私の力は大体分かったと思います。ロイさんの力を見てみたいです」
剣を鞘に納め、後ろに軽々と飛び、ロイの隣に立つ。
「よろしくお願いします」
彼女の方を見ていた俺は、仕方なく一体のダークウルフ見直す。
俺は剣を抜き、視界に入って、勢いよく走ってくるダークウルフを待ち構える。
ダークウルフは休む暇もなく雄叫びを上げ、牙をむき出しにして噛みつこうとする。
「……」
「すごい……」
ただ殺気を放っただけで、ダークウルフは攻撃をやめた。
俺と間を取って、動きが鈍っている。
さーて、このダークウルフはどうやって動いてくる。
「殺気だけで……」
「ま、ざっと、こんなもんだろ」
攻撃が鈍り、ダークウルフの勢いがなくなる。
ダークウルフは、一歩ずつ後ずさりする。
「さーて、次は容赦しないからな」
ダークウルフは、覚悟を決めて俺の方に飛びかかってきた。それを剣で受け止め、左手で、ダークウルフの腹に拳をぶつける。
ダークウルフは吹き飛び、チャンスになった俺は、剣を振り下ろす。
反撃は来ず、防御もする暇もなく、俺の攻撃はダークウルフを真っ二つにした。
胴体部分が真っ二つになった後は、そのまま地面に落ち、発光して消えた。
「あんな意図も簡単に終わらせるなんて」
終わったことを確認したリーシャは近づいてくる。
彼女は俺がこれほどの力を持っているなんて思っていなかっただろう。
暗殺者【アサシン】の彼女とは違い、剣士と魔術師の組み合わせの俺には楽だった。
「まぁ、これくらいは楽勝だろ。でも、お前もなかなかやるな。これなら何とかなるかもしれない」
「そ、そうですか。ありがとうございます!」
俺は、自然と彼女の頭をなでた。
リーシャは、少し恥ずかしそうにしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます