エッセイ、あるい価値のあるウソっぱちー太宰治…お前と戦いたかった…ー
@hunagyuu
第1話 9391
こういう天気はすきだなあ。どんよりとは言えないくらいの曇天に、中くらいの粒の雨がぱさぱさ降っている。
おれはフード付きの上着を着てたから、モーマンタイにお散歩が出来た。
スマホばっか見てると毒だのにまだ見てるから、嫌んなって久々の散歩道。
いつもの道とは違う地元を歩いてたら、たまに訪れる公園が現れて、おれを誘うから、仕方なく、入った。
ベンチに腰かけるのもなにか運命通りな気がして、意地っ張りなんだなおれも、切り倒された木に腰かけた。
眼前に、見るも無惨な平凡すぎる現実が登場した。公園の野原、先に民家、さほど高くない鉄塔、喫茶店に、散髪屋。
気づけば煙草をふかしながら、こういうとき、もっと才能のあるやつなら泣くのかな、なんて考えたりもした。なにかを焦ってるような、ここにずっといたいような、そういう気分が体の中で蠢いて、たまらず自販機でホットの伊右衛門(110円)を買った。(そうしようと決めて買ったのだけれど、)バッグから片手サイズの茶碗を取り出し、そいつに伊右衛門を注いでは飲み、注いでは飲み、ちびちび飲った。
多少の満足と疲労を土産に帰って来たのはもう夕方の4時だった。
こういうときに夕日がばかに差さないのも、この天候の愛すべきところだ。
さぁさ、飯と茶の準備も出来たし、だめ押しに下半身への切ないあんまも施した。寝よう。ねようねよう。
寝れないから、くそったれ、こいつを書いてる。
鉛筆ならここでぐちゃぐちゃに曲線を書き散らすのにナァ…
エッセイ、あるい価値のあるウソっぱちー太宰治…お前と戦いたかった…ー @hunagyuu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。エッセイ、あるい価値のあるウソっぱちー太宰治…お前と戦いたかった…ーの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます