静か

予想を超えた人数だったが、何とかなった。小柄で動き回れたのが幸いしたな。敵の武器も近接用のものばかりだった。….あとは、コイツのおかげだ。


 「生きてるか?」

 「あぁ、うん。何とか」


 揺れに身を任せたまま床を転がっているコイツの姿は少し面白い。犬が好む玩具のようだ。


 「肩は少し抉れた程度か、腕は折れてるようだが」

 「重症か?」

 「そりゃ重症だ。完全に」


 力無く揺れる腕を取り、ぶらぶらと動かしてみる。痛そうに顔を歪めているのが堪らない。


 「なんか痛いな、治療をしてくれているわけじゃなさそうだ」

 「降りたら固定してやるよ」


 よくもまあ、泣き言の一つも言わないな。見上げた奴だ。一時間も持たないだろうと踏んでいたが、ここまでやるとは。


 「肩を貸してやる、座ってろ」

 「…本当に、最高の一日だ」

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