第24話 長女の目標に物申し…

「今年はちゃんと目標立てて生活しよっと。スタートが大事だからね」そう言って、長女がメモ帳に今年やりたいことリストを書き出した。

①100万円貯める。

②月に1回居住県以外の12都道府県にプチ旅行する。

③運動する。

④5キロ落とす。

⑤1年間髪を切らないで伸ばす。

 目標を立てるのはとてもいいことだが、長女のリストを見て、

「実家に戻ったんだから100万くらい貯まるんじゃない?今年から家に少し入れてね。携帯代と車の保険代の引き落としも自分の口座に移してね。今月は車検もあるよ」などと余計なことを言ってしまう。

 長女が固まった。

「貯まるかなぁ」

「ボーナス出るなら大丈夫でしょ。でも、月に1回住んでいる県以外の12都道府県に行ったらお金かかるよ」

「じゃあ日帰りにする」と長女。

「一人で行くの?」と急に心配性を発動する私に、全然平気、と長女はサラッと言う。

 新年早々の大地震が頭をよぎる。

「一人で行って地震とかにあったら怖いよ?」

「そんな遠く行かないから」

と少し面倒くさそうにし始めたので話題を変える。

「運動するとか-5キロとかって、ずっと言ってるよね」と言うと、ギロリと睨まれた。

 さらに「毛先は少し切って整えないと、髪痛むよ。『1年髪伸ばしてヘアドネーションする』にすれば?」

「私の目標なの!始める前からやる気奪わないで!」ついに長女がキレた。

 ツッコミどころ満載の長女の目標についつい物申し過ぎて、出鼻を挫いてしまった。反省。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る