第15話 当たり前を取り戻せ!
先日、NHKで18祭という番組を見た。今18歳の子たちは、高校入学からマスクを強いられ、クラスメイトの顔すら卒業するまでまともに見られず、学校行事はほぼ中止や縮小で思い出を作らせてもらえなかった世代だ。そんな世代の子たちに向けてアーティストが曲を書き、1000人の18歳と共に合唱するという番組だった。
収録前、各地で開催された練習に足を運んだりリモートで練習に参加していた。誰もが、難しいパートを歌えるようになるまで曲と真摯に向き合っていた。仲間と会い、笑い、一緒に歌う、そんな当たり前のことを抱きって喜ぶ姿は本当に輝いて見えた。
しかし、アーティストの一人がコロナにかかり収録が延期された。その時、不平不満を言う子は誰一人いなかった上、気遣ってくれたことに、アーティストも驚いていた。「延期や中止に慣れているから」と話す若者たちの言葉は切な過ぎた。
ようやくこぎ着けた収録当日。緊張してソワソワしている姿、ドキドキしている表情、いよいよアーティストが登場した時の歓喜の笑顔、歌っている時の楽しそうな顔、歌い終わった時の誇らしそうな顔、充実感と嬉しさが爆発していた。涙を流して成功を喜び合う彼らの想いを浴びて、涙が溢れた。
新年度が始まった。3年間の我慢から当たり前の概念も変わってしまったように思うが、諦めることが当たり前でないことを思い出して、密な青春を謳歌して欲しいと心から願う。
改めて、コロナのバカヤロ。
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