第6話 濃厚接触者の憂鬱①
大型連休に入ったと同時に夫が新型コロナに感染し、濃厚接触者になった。職場でも家でもすごく気を付けていたのに、予防意識の低い人のために生活の制限を強いられることに憤りを感じたが、もう仕方ない。
前日の夜、風邪気味と言い出した夫をコロナと予想して即座に私の枕と布団をリビングに降ろし、夫が先に入ったお風呂の栓をすぐに抜き、おかずの残りは全部捨てたのは、我ながらグッジョブだった。
夫が病院に行ったので、家じゅうの除菌に取り掛かった。ビニール手袋にマスクを装着。テーブル、椅子、あらゆるノブとスイッチ、リモコン、冷蔵庫、トイレ、手すり…触ったかもしれない場所を想像してもキリがない。使ったかもしれないタオルを洗濯。製氷機の氷も歯ブラシも即廃棄した。
保健所からの指示待ちは車中で過ごさせるが、だるくて横になりたいと言い出したので、ドアマンの如くどこにも触らせずに寝室まで誘導。寝室から2歩で行ける2階のトイレは専用にした。
夫を部屋に閉じ込めた後、アルコール製剤のボトルと使い捨て布巾を手に、寝室から玄関までの経路を階段から床も再度消毒。意識してみると、部屋に入るまで、階段を上がるまで、トイレに入る時、思った以上に意外なところを触っていた。
ウイルスを吸い込んでるかもしれない恐怖でうがいと手洗いを繰り返し、アイボンで目の洗浄までしたが不安は拭えない。少し息苦しい気が…。マスクの下で最小限の呼吸をしてせいだと思いたい。
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