第26話
あまりダンジョンの情報は得られなかったが、アサヒの情報は助かった。
後カイン、このゲームを知っているな。
恐らく俺よりはるか先にいる。
あの笑い方は分かりやすい。
俺はヒメをうさぎ亭に送り、すぐにエロスティア教会に向かった。
目的はジョブチェンジだ。
シスターが出迎える。
シスターと言っても露出が多い。
この世界のシスターは基本エロいのだ。
「いらっしゃいませ。女神の教会へようこそ」
俺の立つ床が光った。
その瞬間シスターが目を見開いた。
「あなたは男性、そして魅力も名声も100を超えていますね?」
条件を満たした場合エロシーンのイベントが起こる。
ジョブチェンジ=エロシーン。
それがエロゲの世界。
この世界は普通じゃない。
「ジョブチェンジをしたいです」
俺は100万魔石を渡した。
「まあまあ、素晴らしいですね。それではご案内します」
女神の間に移動する。
室内には神々しい女神の像があり、中心に大きいベッドが鎮座していた。
シスターが出てくる。
「どなたを選びますか?ご指名をお願いします」
数十名の女性が生まれたままの姿で立っている。
シスター=婚活中の聖魔導士だ。
抱かれたいと思った者のみが出てくる仕組みなのだ。
人気の無い男の場合誰も出てこず、儀式無しでジョブチェンジだけして終わる。
今男不足だからこんなに集まってきたのか?
「この子でお願いします」
この子はトレイン娘と同じでゲームの人気キャラ、シスターちゃんを選んだ。
ゲームの名前がシスターちゃんなのである。
名前が無いモブキャラなのにエロシーンがどんどん追加されている。
「今なら2人指名で30万魔石引きとなっています」
「いえ、結構です」
「今なら時間延長パックで20万魔石引きとなっています」
「いえ、ほんと、大丈夫です」
「私は必要ありませんか?お安くなりますよ?」
「だ、だいじょうぶです」
「そうですか、それでは神の祝福を受けるのです」
そう言って選んだ子と俺以外部屋を出て、重い扉が閉められた。
俺達はベッドの上に座る。
シスターちゃんは体を腕で隠しながら話をする。
「あ、あの、私、シスターちゃんって呼んでください。するのは初めてなので、うまく出来ないかもです。でも、やり方は全部学んでいるです!」
「俺はハヤト。気にしなくていいんだ。大丈夫」
「で、ではスキルを使います。ジョブチェンジしたいジョブをイメージするです!」
俺は斥候をイメージした。
「け、契約は終わったのです。女神の教えに従い、ぎ、儀式を始めるのです」
もう斥候になってる。
この儀式は不要だが、やらないのは神への冒涜となる。
「その前に飲物を出すのです」
「ありがとう」
俺はコップに口を付ける。
「媚薬入りなので激しく燃えることが出来るのです」
俺は口に含んだ液体を吹き出した。
「えええ!何てものを飲ませるんだ」
「でも、初めてで気持ちよく出来るか不安なのです」
「シスターちゃんが気持ちよくなればいいんだ」
「ですが、良くなって欲しいのです」
「シスターちゃんが恥ずかしがっているのを見れば興奮するぞ」
「他にはあるのです?」
「うーん、シスターちゃんが媚薬を飲んでくれれば興奮すると思う」
シスターちゃんは媚薬を飲み干した。
「はあ、はあ、他には、あるのです?」
「お手」
シスターちゃんは俺の手にをちょこんと手を乗せてきた。
ゲームと同じで凄い素直だな。
興奮してきた。
「あんまり言われると、過激な事を言ってしまいそうだ」
「いいのです。色々、持ってるです」
シスターちゃんがストレージから色々なアイテムを取り出す。
隷属用の首輪に、体に塗る媚薬、ご主人様とする時に感度を上げる紋章カード。
シスターちゃんは隷属したがりの犬キャラだ。
「首輪とか紋章カードの契約をしてもいいのか?」
「いいですよ」
「やめておこう。全部つけると感度がとんでもない事になってしまう」
「うあ、あの、つけて、欲しいです」
シスターちゃんが上目遣いで目を潤ませながら俺を見る。
俺は無言で首輪と紋章を付ける。
シスターちゃんはよだれを垂らし、息を荒くする。
シスターちゃんを見る。
ブラウンセミロングの髪と、少しとろんとしたようなたれ目から優しくて清楚な印象を受ける。
ブラウンの瞳はキラキラ輝き、規則正しく質素な生活をしている事を印象付けるように真っ白で肌がきれいだ。
体のラインもメリハリがある。
少し小さめの背だが、そんな事は気にならない。
上目づかいでこちらを見るその姿に魅力を感じる。
「お薬を、私に塗って欲しいのです」
「分かった、横になって」
◇
シスターちゃんはベッドに横になり、小刻みに痙攣していた。
「わ、私の弱い所だけ、す、凄いのです」
「そうかな?」
「す、少し休ませてほしいのです」
俺は首輪と紋章を外す。
「え!な、何で、取ったんです?」
「え?終わったし」
「わ、私はそのままの方が、良いのです」
「すぐまた来るよ」
「本当ですか?」
「来る」
「分かったです」
俺はすぐに教会を出た。
長居してしまいそうになる。
ベンチに座ってステータスを振る。
俺は途中からスキルポイントを貯めていた。
ハヤト 男
レベル:1
固有スキル 訓練:LV3
ジョブ:斥候
体力:1+100
魔力:1+100
敏捷:7+100
技量:1+100
魅力:0+100
名声:0+100
スキル・全能力アップ:LV10・スタミナ自動回復:LV10・短剣:LV10・投てき:LV10・罠感知:LV10【NEW!】・敵感知:LV10【NEW!】・偽装:LV10【NEW!】 ・武器 初心者卒業ロングナイフ:20 ・防具 初心者卒業防具:30
俺は罠感知・敵感知・偽装を取得した。
偽装はゲームでは取得の優先度はかなり低いのだ。
だが、知らない間にステータスを覗かれていたら嫌だ、
特にカイン。
ステータスにスキルポイントは表示されない。
一気に斥候に変えて、スキルを取得したらすぐ闇魔導士に戻す予定だった。
だが今日はベッドで色々あった。
明日にしよう。
問題は10のスキル枠だ。
今スキル枠を7枠消費している。
スキル枠の節約は必要だな。
今までダンジョンの1階でひたすら格下を相手にしてきた。
だが条件は整ってきた。
2階は行けるはずだ……
一回行ってみよう。
やってみないと分からない。
今回も予定外の偽装スキルを取ることになった。
実践大事!
トスントスントスントスン!
俺はダンジョンの2階で魔物を狩る。
魔物がパーティーを組んで襲い掛かって来るがむしろ好都合だ。
一気に倒す。
厄介なのは弓ゴブだ。
あいつら投げナイフより射程が長い。
奴らだけは最初に一気に距離を詰めて瞬殺する。
「ははははは!楽にスキルポイントを稼げる!」
1階より経験値が高く、しかもパーティーでまとまって来る。
奇襲は敵感知で完封できる。
トラップも罠感知のおかげで余裕だ。
予定より早くスキルポイントを貯められる。
嬉しい誤算だ。
ギャオオオオオオオオ!
ボスか。
俺は中ボスチキンにナイフを投げ込む。
ダンジョン2階はラビットの代わりにチキン、大きいニワトリが出てくるのだ。
余裕で倒せる。
スキル取得の効率は格段に上がっている。
午前中の1階での狩りより2倍以上の効率になっている。
中ボスチキンが倒れ、ドロップアイテムをまき散らした。
このチキンは、確かトレイン娘が欲しがるはず。
俺はチキンと魔石を拾って街に帰る。
教会とダンジョンで体が汚れた。
温泉に行くか?
いや、落ち着かない。
出来るだけ前に進む。
俺は冬の川に装備を解除して飛び込んだ。
冷たいが我慢できないほどの冷たさじゃない。
能力値上昇の効果だろう。
体が引き締まる。
俺は教会に走った。
「あの、もう一回ジョブチェンジをお願いします」
「まあまあ、素晴らしいですね」
「さっきの子は居ますか?」
シスターはほほ笑む。
「居ますよ。すぐに始めましょう」
シスターちゃんは装備を解除して両腕に首輪などのアイテムを抱えてほほ笑む。
「また、全部使って欲しいです」
◇
俺はうさぎ亭に帰ってすぐに風呂に入った。
そして、うさぎ肉のシチューを3人前頼んだ。
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