第2話
遂に抽選が始まった会場では、より一層に賑わいが増していた。
「次こそは絶対に草の人生から抜け出してやるぜ!」
「おうおう言ったな。俺だって石人生から抜け出してやる」
んっ…?
草に石?ろくでもない人生だな。
そんな人生ならば、マジでさっきみたいな転生が良いだろうなと俺は思った。
確かに彼らの風貌は、草に石である。
そもそも、草と石って喋れたっけ?
いやいや。第二処か第三、第四、第五と歩んで来たのだろう。
とにかくと心の中で、俺はご愁傷様としか言いようがなかったのである。
『転生名前は
二人目も日本…か。
それにしても、特典は可哀想なモノだな。前者よりも後者だ。
まあ、人によるんだろうなぁ…。
そうしている間に三人、四人、五人目も日本への転生が決まっていった。
ただ一言だけ言わせてくれないか?
五人目の名前、適当にも度が超えているんだが…?
いや、今から約30年後の未来だし、そういう名前もあるある系かも知れないかも知れないけどさ?
何しろさ?五人目はさ?こう言われるままに転生したし?
『転生名前は
なんだ。
名前がパンだからって…麺麭って無理に漢字にしなくても?
別に読めないって訳じゃ無いけどさ…?
それを言い出したら、さっきまでの名前もキラキラネームだったな。
愛戦士と書いてセー○ー△ーンだったり、龍球と書いてド○ゴン○ールという…正直言ってその名前は、個人的にどうかと思ったけど、他人事に突っ込むべきではないよな。多分。国民的作品を名前として取り入れるってのは、コレからの時代に増えるかも知れないな。
そうしている間に次の転生の抽選が始まっていた。
そういえば、さっきの草とか石って転生したのだろうか…ってまだいるし。
どうやら、まだまだ俺同様に時間は掛かりそうだな。
『転生名前はボルク(男)、転生種族はコボルト、転生日は
ん…?ソルディア・カオス…何とかなんとか?
聞いたことがない名前だな。
ってことは…つまり、異世界に転生ってことかな。
それにしても、聖龍歴が5万年って…随分長い歴を使っている世界なんだな。
まるで、龍を神として暦が出来たって感じだな。
それはどうでもいいとして、コレから呼ばれる者は、日本ではなく異世界に転生ってことになるのだろうと思いながら、俺はますます異世界への転生に期待したのである。
まだまだ、どうせ俺は一番最後なんで、時間は掛かるだろうなぁ…。
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