似非小説論
柚子樹翠
はじめまして。当たり前のことほど、大事。
はじめまして。
ここでは似非小説論、なんて言ってますが、自分が小説書くときに考えていることなどを雑多に書いていこうかなと思います。一応言及しておくと、ここで自分の作品の解説をすることはありません。
創作論というカテゴリーにはなっていますがスタンスとしてはエッセイに近く、基本的に私の適当な思いつきに端を発すると思ってください。あくまで「似非」ですから。ずるくて便利な接頭語です。私としてもここで書くことが全てではありませんし、小説のいろはを伝授しようなんて高尚な考えもありません。悩み惑う創作の過程を面白おかしく話のネタにできればいいなーと思っている感じです。
国語に正解はない、みたいな話よくありますけど、小説もそうですよね。絶対的な正しさ、面白さがあるとは言えないのではないでしょうか。趣味趣向は人それぞれですから。いろんな物語があっていいし、その無限の可能性にこそ創作の面白さがあるのでしょう。
書き方だって完璧な理論なんて存在しません。人によってやり方は異なります。大体同じような理屈は通ると思いますが、話の方向性が違えば必要な要素も変わってきます。人によって発想の仕方も違うので、完璧に練られたプロットで唸らせる作品があれば、反対にライブ感で圧倒してくる作品もあります。理想を言えばその人の才能が一番発揮される書き方をするのがいいのでしょうが、そうはっきりするものではありません。あらゆる書き方を試してみるといいかもしれません。実践ほど手っ取り早い方法はないですから。
そういうわけで私の考える理論が正しいとは限りませんし、反対に私のような者の考えでも何かの参考になるかもしれません。あとはお読みになったあなた様の判断次第です。どうぞお好きにお考えください。
私が小説論を書いてみようと思ったきっかけは、自分の思考を整理できるから、そして書くモチベーションが上がるからです。
何か上手くなりたいものがあったとき、ただがむしゃらに努力するだけでは伸び悩んでしまうこと、ありますよね。そんなとき一旦立ち止まって落ち着くことってやっぱり大事だと思うんです。冷静に自分を俯瞰することで「こういう部分ができていないな」とか「次はこういうことを試すといいかもしれない」などとわかってきます。それは次への大きな一歩になるかもしれません。
私にとっての小説論がそれです。いま一度自分がどういう小説を書いているのか、書きたいのか、名作と比較して何が足りていないのか、考え直すんです。そして「自分はこういうものが書きたいんだ」「こういう要素を盛り込むときっと面白くなる」などと気持ちが固まると、書くモチベーションが上がります。スタート地点を振り返る、みたいな感じですね。あるいはゴールを見据え直すとも言えるでしょうか。
単純な話かもしれませんが、当たり前のことを疎かにしないことって非常に大切です。
例えば小説の起承転結とか。そんなの誰でも知ってることですよね? 解説されても聞き流すでしょう。私なら「はいはいあれね」なんて言っちゃいます。……でも書き慣れてくるほどそういう当たり前のことって、どんどん頭から抜け落ちていきませんか。
何にでも言えますけど、慣れって怖いです。無意識に悪い方向に進みかねません。
なぜ小説の構成と言えば起承転結と言われるのか、それが一番わかりやすく面白さが伝わるからです。読者は読書のプロではありません。作者目線で面白いと思ったことが読者にも面白く伝わるかはまた別の問題です。そのあたりの話はまた別の機会でも触れたいと思ってます。
つまりは、初心にかえる。これもよく言いますけど、よく言われるってことはそれだけ大事なことなんです。たまには手を止めて、自分がいましていることに正面から向き合って、きちんと当たり前のことができているか見つめ直しましょう。
当たり前といえば、普段の私生活を疎かにしないことも小説を書く上で大事ですよね。起きたら何をするか、歯磨きの仕方は、階段の上り方は、ご飯は、寝床は。散歩の仕方、空と時間の関係などなど。あらゆる日常の所作や事象はキャラクター性や作風に表れ、小説の奥行きに関わってきます。無意識に過ごすのではなく、普段からアンテナを高く張りましょうって話ですね。
当たり前に見過ごしてる行動、例えば道の真ん中を通るか端を通るか、そんな些細なことでも人の性格は表れるので、意識して認識できるようになると表現の幅は広がります。
ちなみに私はこれ苦手です……。散歩しながら空を眺めて黄昏たり棚引く雲の形を記憶したり、目ぼしい家や建物をインプットしたりするのですが、買い物とかしてる内に結局忘れて帰ってしまいます。阿呆です。ついつい何気なく生活しがちです。いけませんね。反省しないと。
ああ、こうして書いているうちに私も自分の話、もっとああして細かく描写すればよかったかな? などと考えがあれこれ浮かんできました。やっぱり私にとっては似非小説論、欠かせませんね。もっと上手くなるために。
ではでは、今回はこのあたりで。まだ最初なのでふわふわした話が多かったと思いますが、いかがでしたか。
またよければ次回もよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます