温泉。見上げればそこは満天の星空

みお

第1話

上杉謙信の秘湯と言われる関温泉。


景虎(上杉謙信)と好花は、いまその温泉にいるのだった。


「赤褐色の温泉なんだね。濁り湯で、なお良い」


「だろ。


好花がくる前、俺はよく戦の後にこの関山の湯に入って、疲れを癒されにきてたんだ。


一緒にこれてよかった」


いまは、真夜中で、もちろん辺りには誰もいない。


さっき灯したばっかりの蝋燭の炎だけが細々と光っている。


ここは、露天風呂で、周りをゴツゴツした石で囲まれている。


「温泉、きもちよすぎぃ」


好花は、ふぅっと息を吐きながら、ちゃぷんと口まで浸かった。


「これ、痛そう」


好花は、景虎の腕にできた長い傷を見て、腕を触った。


「これなぁ。


これでもよくなったんよ。


最初にできたとき、血が止まらなくてビビったもんな。


でも、そんなときにこの温泉に通ってたら、ここまで治ったんよな」


「この温泉、傷を治せる効能もあるんだね。


最強やん」


「うん。


好花、空見てごらん」


景虎がそう声をかけると、好花は空を見上げた。


「わぁ!


すごいっ!!」


好花は思わず、歓声をあげた。


「満天の星空じゃん!!


初めて見た。こんなに綺麗な星空」


好花は星空を見上げながら見とれている。


その様子をみて、景虎は満足そうにしていた。


「妙高山の地中から湧き出ているらしいぞ。この温泉。


大自然の恵みである温泉+満天の星空なんて、滅多にないだろ」


「ほんとそうだね。


最高の湯治場だね」


そう言って、好花は嬉しそうにする。






筆者の戯言


上杉謙信の隠し湯として、知られている関温泉。


泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉らしく、 鉄分が浴槽の下に沈殿していて、やや褐色がかったお湯である。


お肌にやさしい温泉で、アトピー・湿疹

外傷慢性消化器病にも効くという。


場所は、新潟県の妙高高原。


雪がたくさん降るところですね。


今では、日帰り温泉や泊まることもできるらしいですよ。

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温泉。見上げればそこは満天の星空 みお @mioyukawada

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