練習1

Ayane

第1話

「ここ、どこだ?」


真っ暗な森…らしき中で独り言ちた。


確かに時刻は真夜中だったが、夜の帳が下りても月明りが辺りを照らしていたのに。


一緒に入ったはずのアイツの気配も感じない。


ともかく現在地を確認したいが、はてさてどちらに進めばよいのやら。


周りの気配を探りつつ進むべき方向を探っていると、


ガサガサガサ!


「ん?誰かいるの?」


茂みをかき分ける音を立てながら、陽気な感じの若い男性の声が近づいてくる。


姿は見えないが取り敢えず声のする方へ向かって


「あー、ちょっと迷子になりまして」


「えーっそれは大変!明るいところまで一緒に行ってあげるよ!」


ものすごく警戒すべき場面ではあるが、居場所に関する情報が全くないことと、

男性の人懐っこい雰囲気に付いて行ってみたくなった。


いざとなれば、まあ、なんとかなるでしょ。


「ぜひ、お願いします」

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