第28話
あれから2時間経ったんだろうか。
馬車が止まった。
私は奴隷になっちゃうのか…。
「旦那、こいつが昨日捕まえて来た女だ。」
「ほう、中々見た目は悪くないですね。
ただこいつはOスキルだといいましたね?
この小ささだと性奴隷には早いし、スキルも役に立たない。
であれば、雑用がいいとこでしょう。」
「旦那、こいつはこれから成長するんだから
そこも見据えて値段をつけてくれよ!」
私を見ながら昨日の男の人と奴隷商であろう
小太りで七三分けの眼鏡の男の人が話ている。
ああ、本当に奴隷にされちゃうんだ…
「そうですね。
わかりました
本来であれば、10万ルターで買い取るところですが
今回は15万ルターで買い取りましょう。」
男の人がその言葉を聞いてすごくうれしそうにしながら
お礼を言っている。
「ただし、これからも上質な奴隷を頼みますよ?」
「任せてくれよ旦那!」
そう言いながら二人は馬車から離れていった。
拘束がなかったらこのまま逃げ出すんだけど拘束は外せていないから
逃げ出す事ができない。
「お、この馬車か!
よし奴隷がいたぞ。」
「お~う、めんどいからさっさと牢屋に入れて休憩行こうぜ~」
一人は真面目そうで、もう一人は不真面目そうな二人組のがたいの良い
男の人が馬車に近づいて来た。
「嬢ちゃんも災難だな。
まあ、俺たちもこれが仕事だから堪忍してくれや。」
真面目な男の人はそう言って私を担いで建物に進んで行った。
馬車の中からは見えなかったけど、馬車は建物の横に止まっていたようだ
建物の中に入ると真っ赤なカーペットにロウソクのシャンデリアが
付いてて壁には動物のはく製がたくさん並んでいた。
玄関から入って真っすぐ進むと男たちが止まり、どうしたのかと思っていると
床にあった隠し扉を開けると、地下に続く階段が出て来た。
地下に降りていくと、地下には
牢屋が所せましと並んでいてその中には手錠と足枷を付けられた
色々な人達がいた。
きっとみんな私みたいに誘拐されて奴隷として売られてしまったんだろうな…
もし、私が逃げる事ができたならみんなも助けてあげたいな。
「こ、ここからだしてください…」
「悪いな、俺の判断じゃどうにも出来ないし俺も金もらって仕事してるんだ。」
二十歳くらいの綺麗なお姉さんに話しかけられても
真面目そうな男の人は丁寧に返していた。
なんでこんな仕事してるんだろう。
「そいじゃ、フランク一番奥の牢屋にこの嬢ちゃんいれるから
開けてくれ。」
「はいよ~」
フランクと呼ばれた不真面目そうな男の人が言われた通りに牢屋を
開けると、私は牢屋に入れられてしまった。
「じゃあ嬢ちゃんここでのルールとかはその辺の奴に適当に聞いてくれや。
これから大変だろうけど頑張れや。」
そう言って二人組の男の人は地下から出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます