第5話
とりあえず死なないなら何とかなるはずだと思い、役に立つかは分からないけどスキルの熟練度上げも兼ねてスキップしてシュガーちゃんもとい凶暴な狼に近づく。
近づいたらまた手を振り上げて振り下ろしてくる。
攻撃来るのが分かってたからかさっきよりは簡単に避けることが出来た
「シュガーちゃん楽しい?」
言葉が通じて優しくしてくれるかもしれないという淡い期待を胸に話しかけながら近づいては避けてと繰り返している。
シュガーちゃんが疲れる前に私が怪我しそうだな……
回避スキルとか覚えてから受けたい依頼だった
スキルは祝福の儀で貰う他に
長い間修行を続けると身につくことがあるらしい。
それでもスキルのレベルは最低だけどね…
だから最初からレベルが2以上でスキルを授かる事のできる祝福の儀が凄く重要視されているし
Oスキルを授かったらもう救いようがないと思われてる。
ちなみに私はスキップレベル2だった。
シュガーちゃんの動きは単調で慣れてきたからかこんな考え事をできるようになった。
でも、これってシュガーちゃん疲れないよね?
おばあさんがずっと見てるから挑発したりする訳にはいかないし
どうしようかな…
私お腹すいてるしかなり疲れたんだけどな
多分近づいて攻撃を避けてまた近づいて、とこの作業をもう1時間くらいやってると思う
「シュガーちゃんそろそろ疲れてきた?」
元気に右前脚を振り上げてる
全然余裕があるみたいだ
私は正直そろそろ限界が近いんだけどな…
それから30分程たったかな?
私はとうとうシュガーちゃんの前脚を避けられなかった
体力の限界だったのか、あんまり体を鍛えてないから足がもつれたのかは分からないけどシュガーちゃんの目の前で倒れて気を失ってしまった。
目が覚めると
目の前でシュガーちゃんが寝ていた。
「え?シュガーちゃん?」
「驚いたわ!
シュガーちゃんまだあんなに元気だったのに一緒に昼寝してしまうなんて!
どんな技を使ったの!?」
凄く興奮した感じの依頼人のおばあさんが問いかけてきた
「すいません…
疲れて気を失って倒れてしまっただけなので私は何もしていません。」
「ふーん
まあどうでもいいわ!
依頼は達成よ!」
「あ、ありがとうございます!
それじゃあこれにサインをお願いします!」
「ええ、わかったわ
あなたなかなかやるわね
報酬増額しといてあげるからまた来なさい」
「ありがとうございます!
また来ることがあったらよろしくお願いします!」
次来るのは回避スキルを覚えてから!と心の中で叫びながらお礼を言ってサインを受け取った。
「あー、後これあげるわ」
背負い袋を渡された
中身はパンが少しと着替えが1着と寝袋などが入っているらしい。
私の格好が汚すぎて見ていられなかったようだ
「ありがとうございます!」
これで服を着替えれる…
Oスキルを授かってから1年は立ってる。
その間1回も湯浴み出来なかったのだ
たまにお父様がバケツに水を汲んで私の顔を水の中に入れて頭を抑えることがあった。
飽きたらそのバケツは置いて行くからバケツの水を使って軽く体や頭を流すくらいしか出来なかった
井戸の水は冷たいけど1年以上着てた服をようやく洗えるんだ…
怖いおばあさんだと思ったけど
凄く優しい人だったみたいだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます