第36話 レクの提案 その2
「
生徒会室へ戻るや
「……はぁ」
だが、どこか肩透かしな俺の反応に勢いを削がれた様子。コホンと一度
「もう少しリアクションしなさいよね」
「缶蹴りって、正直、俺ルール知らないんですよね」
「はぁ? あなた缶蹴りのルール知らないの?」
「やったことないんで」
「まぁ、いいわ。かくゆう私も実際やったことないんだけどね」
お前もやったことないのかよ……それでよく提案できたもんだな。
舘林さんはすぐさまホワイトボードを持ってきて、図を基に遊び方を説明していく。ご参考までにルールをば。
・まずジャンケンして鬼役を決める。
・地面に円を描き、その中に缶を一つ置く。
・参加人数での立合いの元、逃げるメンバーの一人が缶を蹴り飛ばす。
・鬼役が缶を元の位置に立て直すまでに、みんな付近に隠れる。
・鬼役は逃げた人を見つけると『〇〇くんみ~っけ』と言って、先に缶の位置まで戻り、見つけた人に蹴られないよう、缶を先に踏む必要がある。
・見つけられた人は鬼の近くで助けを待つ。
・鬼が探索に行っている間、救出のために他のメンバーが缶を蹴ることが可能。成功した場合、捕まっている人がまた逃げられる。要はすべてリセット。
・鬼が全員捕まえられた場合、一番最初に見つかった人が鬼を引き継ぐ。
こんな感じのことを一通り説明される。まず、俺の最初の反応はというと……。
「うわぁ、めっちゃ疲れそうな遊び。反対してもいいですか?」
とまぁ、もちろん難色を示す。
「どうしてよ! 生徒会長たる私
「だって、こっちはただでさえ疲れることが多いのに、何が悲しくて現地でまで疲労蓄積せにゃあならんのですか」
「私がやりたいと言ったらやるの。役員なら二つ返事で了承なさい」
「え~、そんな無茶苦茶な」
あ~あ、やっぱ嫌な予感が当たったと俺は頭を抱える。
「というわけで、現地での遊びがスムーズに運ぶようメンバー集めをお願いね。あと、小枝ひよりは絶対引き入れなさい」
「それにしてもなぜ缶蹴りなんです? 鬼ごっことかシンプルなやつでいいのでは?」
「あなた、わかってないわね。この『缶蹴り』というのはね、かくれんぼとドロケイと鬼ごっこの要素を併せ持つ至高の遊びなの。遠足のレクとして、これほど適した遊びはないわ」
「併せ持つ分、余計に疲れるだけだと思いますけどねぇ」
「私が最後まで生き残る&全員捕まえて、この機会に女王としての
ダメだ……もはや聞いちゃいない。十中八九、自分がやりたいだけというのが判明したところで、今のこの人を止める術が見当たらない。
まぁ、今さら面倒事の一つや二つ増えたところで一緒。小枝ご指名だし、クラスの連中に声かけときゃいいか。
こうして、俺はメンバー集めを任されることとなった。
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