第24話 いざ勧誘プラス…

「またお前か」


 放課後に南田との約束を取り付けたはいいものの、教室での話合いには俺たち以外に余計な人物までプラスされている。


「安藤君と秀ちゃん、大切なお話があるんですよね? 私のことはどうかお気になさらず」


「いや、そういうわけにもいかんだろ」


 話し合いをしようと南田の席の隣へと移動した俺。それについてくるように、その背後の席へとやってくる小枝。さも当たり前のように、セットメニューがごとく相席してきやがる。


「小枝、今後の俺たちに関わることなんだ。悪いが外してくれないか?」


「そう聞くとなおさら私も相談に加わざるえませんね」


「なんでだよ!」


「まぁまぁ、そう厄介払いしないで。ぴよちゃんにも同席してほしいって言ったのは俺なんだ」


「はぁ?」


「副会長の誘いなんだけど、あれさ、アンドレとピヨちゃんも一緒に入ってくれるっていう条件なら引き受けてもいいよ」


「な、南田……お前正気か? 俺ならわかるが、よりによってこんなやつ」


「むぅ、安藤君ひどいです」


「いや、そういうつもりじゃなくてだな。生徒会ってのは学校の顔なんだ。軽率な行動を取ればかえって自分が大変な思いするんだぞ」


「大丈夫だって、ぴよちゃん学級委員だし。万が一のフォロー要因の為のアンドレだし」


「そうです、学級委員長なのです! 大丈夫なのです!」


 ちっ、ない胸を自慢げに張りやがって。


「だったらなおさら、なぜ俺がフォローせなきゃならんのだ」


「生徒会なんて面倒事に協力するんだからさ、それぐらい頼まれてよ。俺は生徒会長の専属補助になるだろうし」


「いや、迷惑なら別に無理はしなくてもいい。正直、俺もあまり入りたくないし」


「えー、安藤君が入るっていうから私もお役を引き受けたのにですか?」


「誰もお前なんか勧誘してない」


「むぅぅ~」


「まぁ、そう言いなさんな。生徒会活動をこなせば活動も評価されるし、見返りはあるだろ?」


「それもそうだが、俺は気に食わない生徒会長の鼻を明かしてやりたかっただけなんだ」


「だったらなおさら……さ?」


 南田は小枝の方へチラッと視線を流し、そしてコソッと耳打ちしてくる。


「嫌です、嫌です。みんな一緒じゃなきゃ入りません!」


 駄々をこねる小枝はまるで小動物の様……なるほど、その根拠には頷ける。


「ね? 楽しくなりそうでしょ?」


「南田……」


「どうかした?」


「みかけによらず、お前なかなかだな」


 あははと苦笑いを浮かべる南田であった。

 成り行きではあったが、無責任に関わってしまったならばもう腹の決め時である。まさか、この俺が因縁の生徒会に入ることになろうとは……人生とはわからないものだ。

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