第4話 Could you tell me the place for SEIMAI?

 郷里の友人より、結婚祝いのお返しに米30kgが届きました。

 

 え? そっちじゃ、結婚祝いとか、米なの? いいえ。そんなことはございません。本人たっての希望で、結婚祝いに道産の魚の干物詰め合わせセットを送ってくれと言うので送ったら、米になって帰ってきたという、ちょっと時代を間違えてるかな? という物々交換のような、少々奇妙な祝い方になってしまいました。


 で、その子が聞いてきます。

「近くに精米所ってありますか?」

 精米所はわかんないけど、精米をお願いできる米屋さんはある。ということで、30kgの玄米ゲット。

 そして、米屋さんに持っていく私。すると、米屋さんが一言。

「うち、精米やめたんですよね〜。この辺で、精米やってるとこ、もう全然ないですね〜」


「え……じゃあ、どこへ持って行けば……?」

 米屋さんいわく、最寄りのホームセンターへ持って行けばしてもらえると思いますよ。

 うちから最寄り……35kmくらい先かな? しかも、コロナ禍とあって、閉まる時間が早い。


 夫に電話して、精米、今日のことにならないわ。と言いながら、ふと気付く。

「ここ、農協前じゃん!!」

 農協前なら、無人の精米機が置いてあるはず……

 ……ないわな。よく考えたら、この辺、畑しかない。田んぼなんか全然ない地域なので、農協前にも精米機、ございません。


「え〜、困るんですけど〜(泣)」

 と思いながら帰宅すると、夫が、無人精米機の場所を探してくれていました。夫GJ……って……37km先……しかも私が行ったことがない地域。

「迷子になる自信満々ですけど」

「仕事終わったら一緒に行ってやるから、待ってろ」

 との優しいお言葉に甘えて、夫と共に精米機を探す旅に。


 もう、ちょっと笑えてきて、

「精米デートわーい♪」

 とか言ってましたから。


 しかし、畑しかないと言えども、みんな主食がパンや芋やトルティーヤなわけじゃなかろうに。何故こんなに精米所がないの?

 郷里で、家から歩いていけるくらいの距離、遠くても車で5~6分くらいの距離に精米機があるのが当たり前になっている私にとっては、凄いカルチャーショックでした。


 

 教訓】内地から米を送ってもらう時は精米してから送ってもらいましょう。

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