悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染みたちのパパになる
@enji2815
第1話 主人公
人生はやり直せない。
例え後悔ばかりの人生だったとしても。
だから、もし次があるとするなら…。
今度こそ悔いのない生き方をしよう。
突然ではあるが俺は転生者というやつだ。
『ブライトファンタジー』という大人気ゲームがあった。 友人がプレイしてるのを観て面白そうだから買った。
そして俺はそんな世界に転生した。…多分。
何故多分なのかと言うと…実は『ブライトファンタジー』は買ったは良いがパッケージを開封すらしていない。
つまり積んだ。
俺のこのゲームのに対する知識はコマンド式RPGであること、複数のヒロインがいること、主人公の行動によって結ばれるヒロインが変わるということ、この世界の名前が剣と魔法の世界『ブライト』ということ。
以上である。
あ、後は主人公のデフォの名前がイスカってことか。
先ほども説明したがこの世界には魔法がある…というか俺も使えるし、なんなら得意とも言える。
攻撃、回復、強化、弱体と種類も結構あるし、剣も使える。
どこに出しても恥ずかしくないB級冒険者だと思います。
因みに冒険者ランクは登録時はEから始まりD・C・B・A・Sと上がっていく。
各ランクには-と+があり、EからDに上がった場合はD-からスタートしてDになりD+になりC-になる。
ランクアップには規定の試験みたいなのがあり、Bランクに上がる為の試験内容はCランクのクエストを連続3つ達成することだった。他にも色々な細かい決まりもあるがそこは割愛させてもらう。
転生物のお約束として主人公以外に転生するのは基本。俺の名前も『グレイ』だし、自分でいうのも何だが目付きは悪いし、よくそこら辺にいる冒険者崩れのチンピラと勘違いされる。
こんな俺だからよくある悪役とかモブ転生なんだろう、知らないけど。
そんな俺の目の前にはガリガリに痩せ、ボロボロの服を着た黒髪の少年と、赤毛混じりの金髪の少女が俺に対して土下座をしている止めて下さい。
どうしてこんなことに…
…………ああ、そうだった。
俺の前を歩いていた男に花を買ってくれって頼んだこの少年が、その男に『んな汚い花なんざいらねぇよ!』って蹴られたんだった。
その男を俺が蹴り飛ばして、怪我をした少年に回復魔法を掛けたんだ。
驚いた少年と隣に居た少女が可哀想だったから、地面に散らばった売り物の花を俺が全部買おうかと思ったら
「失礼なのも厚かましいのも解ってはいます…それでもお願いします。 どうか病にかかった家族を先程の魔法で治してもらえませんか…」
「わ、わたしからもお願いします!」
と言って突然土下座された。
これ年端もいかない子供達に土下座させてるチンピラにしか見えないよな、うん。
周りからは「可愛そうに」とか「あんな子供に」等と話してる声が聞こえる。
待て誤解だ、俺は無実なんだ…。
二人から少し距離を離しながら質問をする。
しかし家族……か。
「ご両親か兄弟か?」
「いえ…おれ達…親や本当の兄弟はいません、病にかかったのは一緒に暮らしてる仲間なんです…」
うーん、さっき使った
病気を治せるような魔法が使えるのは基本的に教会の神官とかだ、しかも高位の。 一部例外もいるけど。
一応伝手が無い訳でもないが…キュアポーションなら治せる病気もあるし、一本持ってるからそれでどうにかなれば良いんだが。
「…わかった、でも治せる保証は無いぞ。 それでもいいならその”家族”の所に案内しろ、出来る限りのことはする」
「ほ、本当ですか?! お礼は…その…」
「別に…、どうせ同じ街に住んでるんだ、いつか返せる時がくればその時でいい。 それにさっきも言ったが治せる保証はないんだ、無理でも恨むなよ」
俺がそう言うと、少年と少女はあろうことか涙をボロボロ溢しながら泣き始めた。
また俺が酷いことして泣かせたように見える(というかそうとしか見えない)展開にっ
また周りから「まあ、畜生よ!」とか「憲兵さん呼ばなきゃ…」とか言われて、流石に俺でも傷つくぞ…。
落ち着いた二人に何で泣いたか訊いたら『大人の人に優しくされたこと』、『一緒に住んでるのは皆子供だから、仲間が病気になってずっと不安だったこと』を告げられた。
……何としても治さないといけない感じになったぞ。
「そういえば自己紹介をしてなかったな。俺の名前はグレイだ。 見ての通り冒険者をしている」
「おれはイスカです、こっちは…」
「フィオです。 よろしくお願いします」
俺が名乗ると二人も名前を教えてくれた。
イスカにフィオか。 良い名前……
ん?
イスカ?
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