脱“学歴社会”を目指す

NOTTI

第1話:学歴社会を生きる難しさ ①

現在は、学歴社会ではないと表向きは言われているが、どこをどう切り取っても学歴とネームバリューは切っても切れない関係のように感じる。なぜなら、学歴が良いと会社にとってもメリットを感じるのだろう。そして、そのメリットを活かしてネットワークも広がっていく。だからこそ、学歴はじゅうようなのだろう。しかし、私は少し異なった視点を見ている。例えば、学歴がある人を採用するとあらゆるリスクが発生する。それは、“他社からのヘッドハンティング”だ。これは競争社会においては生き残る術として捉えなくてはいけない部分だ。つまり、能力が高い人材ほど好条件を出されると心が揺れ動いてしまう。そのうえ、能力が高い人間は簡単には転職市場には現れないため、自ら獲得をしに行かなくては得られるわけではない。


 実際は高学歴、好印象、好感度など会社側が求めている部分がそろっている人材は即戦力ではなく、育成が必要になる。だからこそ、手塩にかけて育てた人材を失いたくないのも分かるが、学歴が良いと競合する企業も多くなり、特に新卒採用などの際に企業間で争奪戦になることも多い。仮に争奪戦に勝てたとしても、彼らに対する企業間競争はずっと続いていく。だからではないが、即戦力を求めることで流出のリスクも視野に入れながら育てていくしかない。ただ、流出してしまっても経験者ではなく、未経験でかつ中堅大学などを卒業している人材も有名大学を卒業している人材よりも活躍の場は広くなっており、企業側で気を揉む必要は感じられない。こういう社員が増えると上から下までもれなく検証することが可能となり、多角的な経営戦略を実行できる。これは、他社からすると“時間の無駄”だと判断されかねないが、これこそ会社が成長するための手段として与えた時間と捉えることが出来る。これらを考えれば育成している期間は時間として無駄ではなく、ゆっくり育てる時間であることから“無駄な時間”から“成長の準備時間”と考えることが大切だろう。これこそ、良い人材を確保するよりも育てた方がその会社に大切にされていると感じて長く勤務したいと感じるだろう。


 だからこそ、良い大学を出ているから良い人材、知らない大学を出ているから不明な人材という概念では今後は良い人材が流出してしまった場合にその基準を崩すことが難しくなり、人材確保に苦難を強いられることになる。現在はいくら“売り手市場”と言われていても裏を返すと就職難民は増えている。そのため、非正規雇用であっても就職難民になってしまっては生活することが難しいことから一般企業ではなく、動画配信などの個人的な活動に移行していってしまう。すると、一般企業に就職したいと思う人が減り、アルバイトであっても都市部の高時給のアルバイトや単発のバイトなどを目指す人が増える。これは今後の人口推移から考えても都市部の人材不足は地方の人材不足よりも深刻ではない業種の方が多いだろう。なぜなら、人口流出率を算定しても地方と都市部では数%~数十%程度の差が発生している。しかし、全体で見ると大きな差はない。つまり、プライマリーバランスと国内総生産(GDP)が落ち込むことは少ないのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る