あるひぃ
バブみ道日丿宮組
お題:少年の復讐 制限時間:15分
あるひぃ
友だちを減らした。一人ずつ確実に数を減らした。
そもそもあれらは友達じゃなかったかもしれない。
いじめる人間は人間ではない。痛みを知らない子どもでしかない。助けを求めて、手を差し伸べなかった人も同じだ。いつか彼らも減らしたい。
今は、一人の肉片に意識を向けよう。
これは教育。決して復讐なんてあまい言葉じゃない。教科書にもいつかのるべき、教材だ。
「……」
人間の解体も手慣れてきた。
牛や、豚の解体はこれの延長上にあるものだと思う。
命を奪える仕事として、後に考えるのもいいかもしれない。
人間の死体は、食べるところが少ない。だいたいが骨だ。内臓も美味しそうに見えないし、おおかた川に捨ててる。庭に埋めたり、山にいったり、犬や猫の餌にしたりして、消費してる。
大きな骨の処理はめんどくさかった。
粉々にしないと、袋に入らないし、重くもなった。
とはいえ、大人の大きさじゃないのでさほど問題にならない。
親の解体は手こずった。
はじめてということもあったが、なによりも殺すことが難しかった。首を紐で縛れば簡単に死ぬものだと思ってた。
けれど、じたばたと暴れてなかなか意識をなくさなかった。
母を殺して、父を殺した。
父のときは、母の死体をクローゼットにしまうのが大変だった。何十kgもある肉の塊なのだから、当たり前かもしれない。殺すのは簡単だった。後ろからハンマーで頭を叩くだけ。
悲鳴を上げて痛がってたけど、何度も打ち続ければ、それも止む。
赤ん坊の妹は、育てることにした。
僕の復讐相手ではないし、妹には何も罪はない。
問題があるのは、友だちと、親だけ。
それ以外の人間は生きる資格がある。
コンビニの店員がいなくなるのは困るし、学校で教えてくれる教師がいないのも困る。
学校では、失踪事件として騒がれてるが、生徒が疑われてる様子はない。
警察はテレビみたいに有能じゃなかった。
学校の帰り道にある交番じゃ、毎日お酒を飲んでる姿をよく見る。
世界が弱者に優しくなかった。
それならば、僕は僕ができる仕事をしようと思った。
妹が泣いたので、おしめを変えた。
あるひぃ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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