或る朝の記録
雪(うぱし)
或る朝の記録
或る朝の記録
食べたくもない目玉焼きを勧められて不機嫌になった。折角の快眠が台無しだ。
「不幸の芽は摘んでおかねばならぬ」
洗ったばかりの洗濯物、犬がそれを咥えて駆けていく。
お腹が空いているのだろう。おやつを強請る為の常套手段。
サッと奪い取る、また、別のタオルを咥える、脚が出る。
「殴る蹴るの教育しか知らないからなぁ。許しとくれ。」
態とらしく言ってみせる。
「不幸の芽は摘んでおかねばならぬ」
耳鳴り、難聴、目眩
ビタミンB12を落とす。
「もういい、飲まん。」
機嫌が悪い。
犬の寝床に落ちていた。
「飲んだ方が身体に悪そう。」
「不幸の芽は摘んでおかねばならぬ」
好きでやっていること
何をするにしても義務的動機でやってはならぬのです。
それから、やったことに対して、「(お前らの為に)してやった。」などという気持ちを抱くのはイヤなのです。
ああ、アホくさい、バカらしい
別にあんたにゃ頼んでないよ
あんたは、食べて、そして寝て、醜く肥えて、さっさと死んでくれたらそれで良い。
保険金で豪遊させとくれ。少しの贅沢させとくれ。そしたら初めて心から「ありがとう。」と言えそうだよ。
「不幸の芽は摘んでおかねばならぬ」
「自殺なんかしないよ。そんなに弱くない。」
ギロチンでした。首飛んでいきましたよ。
「そうか、弱いか。」
無意識に言葉が出るのはいつぶりでしょう。
私があれほど苦しんでいたとき(自業自得ではあるが)の事思い出しました。少し前のことなのに、近頃の回復の為なのか、懐かしい思い出のように感じられました。
弱い、その通りです。
いつものようにある事ない事書き連ねてやろうにも言葉が出てきません。
私は無差別爆撃の方が得意です。
しかし、あなたは、非常に近くから、それでいて、遥か彼方から、私の弱点を精密に撃ち抜いたのです。
弱いです。生まれつきの精神的虚弱です。ずっと強いふりをしていました。
ある時、あの時、真の心、見せました。
ウソをつくな、自分だけ被害者ぶるな、悲劇の主人公に酔っているだけだ、本当は強いくせに。
惨い話です。本当の私ってなんでしょう。
それ以来、あなたたちには心からの相談はしない。そう決めました。
最近、少しばかりか心が回復して、少し夢を語らせていただきました。
案の定でございました。ほとんど私がいけないのだけれど、もう少しばかり、ねぇ…
消しましょう、この灯火を。
絶やしましょう、醜い花を。
断ちましょう、不幸の連鎖を。
少なくとも、私だけでもそうします。
他人は知らん、勝手に不幸になっとくれ。
この時代が生き易い私は、この時代と共に去っていきましょう。
西の炎が燃え広がって、全てを焦土に帰するのならば、なんという僥倖でしょう。
「不幸の芽は摘んでおかねばならぬ」
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