第9話 エリオットの家
ロルカの前で立ち上がった少女は・・・。
少女のように背は低いがどう見ても成人を越えている様な顔つきであった。
しかも、成人の女性の様に髪を伸ばしてはいないのだから少女と見間違えてもしょうがないと言えばしょうがない。
「何を見ている」
とエリオットが言うと、パステルナークが答える。
「エリオット、私は大丈夫だがロルカは疲れていると思う。一日中歩き、妖魔を2体も斬ったのだ。早々で申し訳ないが、お前の住む家に案内してくれないだろうか」
「分かりました」
そう答えると、エリオットは二人を自分の住む小屋へ案内するために歩き出す。
少し村から離れている。
小屋には土間の様な空間があり、そこには小さな炊事場があるが見るからに大きな釜戸は暖を取れる様になっているのであろう。
土間を通り居間へ二人を案内すると、
「湯を使わせてくれないか? ロルカも疲れているであろう、ゆっくりさせてやりたい」
それを聞いて、小屋の離れにある更に小さな小屋へとエリオットは音もなく消えるように居間を下がった。
暫くしてエリオットが戻ってくると、
「どうにも、その大きさの下着も服も用意できませぬ」
「かまわない、このままで行く、下着は済まないが湯屋で洗わせてくれ。絞ってそのまま着よう」
そう言ってロルカが立ち上がろうとすると、
「私は置いてゆけ」
とパステルナークが言う。
確かにエリオットが居れば、私よりも安全であろうと、ロルカは正直に思う。
「エリオットと積もる話でもあるだろう。では私一人で行こう」
そう言って帯刀を解くと、
「そう言う訳でも無い」
とパステルナークは答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます