【完結】ある朝未来から俺の娘がやってきた結果、幼馴染と先輩がグイグイ迫ってくるようになった件
水島紗鳥@11/22コミカライズ開始
前期編
第1話 未来からやって来た娘
ある日の朝俺、
「えっ、誰!?」
朝が弱い俺は普段中々起きれないのだが、今日は女の子の存在に驚いて飛び起きてしまった。
昨日ベッドに入った時はいなかったはずの女の子の存在に俺は頭が混乱し始める。
まさか夜中に寝ぼけて外出し、どこからか誘拐でもしてしまったんだろうか。
そんな馬鹿な想像をしていると、突然部屋の扉がノックされて開かれる。
「お兄ちゃん朝っぱらから叫び声なんてあげてどうしたの……ちょっと待って、その子誰!?」
扉を開けて部屋に入ってきたのは俺の1つ年下の妹、
「朝起きたらいつの間にか布団の中にいて俺にもさっぱり分からないんだよ……」
「嘘でしょ、一体どうなってるの?」
2人で困惑した表情を浮かべているとベッドの上で寝ていた女の子が目を覚ます。
そして目を覚ました女の子の口からめちゃくちゃ衝撃的な発言が飛び出す。
「あっ、パパおはよう」
なんと女の子は俺の事をパパと呼んで、あろうことか抱きついてきたのだ。
「ち、ちょっと。パパってどういう事よ?」
「い、いや、俺にもさっぱり」
凛花からそう問い詰められるが、俺も意味が分からず正直どう反応していいか分からない。
「えっと、君は誰?」
俺は抱きついていた女の子を優しく引き剥がすとそう尋ねた。
「パパどうしたの? 私はパパの娘の
女の子は水瀬夏海という名前らしいが、俺の娘という部分が全く理解できない。
そもそも俺は年齢=彼女いない歴でかつ童貞の高校2年生なので子供などこの世のどこにも存在するはずがないのだ。
だが不思議な事に俺の前に立っている夏海ちゃんは他人という気がしなかった。
そんな事を考えていると夏海ちゃんは不思議そうな顔をして俺に問いかけてくる。
「あれ、パパ身長縮んだ? それにいつもより若い気がする……」
「いや、そんな事を言われても俺は別にいつも通りなんだけど」
全然状況が理解できない俺はそう答えるしかなかった。
2人でそんなやりとりをしていると凛花が口を開く。
「……ねえ、もし仮にお兄ちゃんがパパならさ、ママは一体誰なのよ?」
「ママは……あれ、誰だろう?」
夏海ちゃんは必死に思い出そうとしているが、いつまで経っても何も答えられない。
「……ひょっとして記憶喪失か? なあ、昨日の夜の事は思い出せるか」
「えっと、昨日の夜はね自分の部屋で普通に寝た記憶があるよ」
それからも色々と夏海ちゃんに質問をしてみた結果、記憶喪失では無かったものの母親に関する記憶だけが完全にすっぽりと抜け落ちてしまっていることが分かった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから俺達は夏海ちゃんをどうするかついて、朝っぱらから緊急の家族会議を行い始める。
突然見知らぬ女の子をダイニングに連れてきた俺と凛花の様子に戸惑っていた両親にまず一連の経緯を説明した。
「確かに和人に似てるわね。特に目元とかそっくりだし、他人って感じがしないわ」
「確かにそうだな、って事は夏海ちゃんは未来から来たのかな」
「まさかもう孫の顔を見れるなんて私達はラッキーね」
母さんと父さんはその面影から夏海ちゃんが俺の娘であると完全に信じたらしい。
「ちょっと、お母さんもお父さんもすぐに信じすぎじゃない?」
「昨日はきちんと戸締りして寝たはずなのに夏海ちゃんが和人のベッドの中にいるって未来から来たとしか考えられないわ。それに和人にこんなに似てるなら信じるしかないでしょ」
「……それで結局夏海ちゃんはどうするんだ?」
俺は凛花と母さんの話を無理矢理遮ってそう質問した。
「そんなのうちで面倒を見るに決まってるでしょ、私達の孫なんだから」
「そうだな、未来から来たなら他に行くあても無いだろうし。夏海ちゃんもそれでいいよな?」
「うん、パパと一緒ならそれでいいよ」
どうやら母さんと父さんはうちで面倒を見る気満々のようで夏海ちゃんもその気らしい。
「まあ、警察とかに連れて行くよりは絶対その方がいいよな」
警察に事情を話しても信じて貰えない可能性が高いし、下手したら俺が誘拐犯として逮捕されかねないのだ。
こうして未来からやってきた俺の娘?である夏海ちゃんは家族会議をした結果とりあえず家で面倒を見る事が決定した。
「じゃあ行ってきます」
「パパ行ってらっしゃい」
母さんに連れた夏海ちゃんに見送られた俺と凛花は自転車に乗って高校へと向かい始める。
俺達兄妹は揃って同じ
「色々衝撃すぎて朝からめちゃくちゃ疲れた」
「私もよ、未来からお兄ちゃんの娘が来るとか漫画やアニメみたいな話、夏海ちゃんがいなかったら絶対信じられなかったわ。それにまさか高校1年生で叔母さんになるなんて予想外よ」
そんな会話をしているうちに高校へと到着したため俺達は別れてそれぞれの教室へと向かい始めた。
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