「この作品、盗作ですよ。」
ちゃっぴー
第1話 秘密の趣味
授業中、休み時間、登校中、自宅内、そして今現在下校中・・・・・・。
私は約1時間に1回はスマホを見るのが習慣になっていた。
LINEでも、メールでも無い。
そもそも私は友達がほとんどいない。
けれども、今の私にはリアル世界の友達など、どうでも良かった。
それよりもコッチ!
小説投稿サイト「ノベル・カクヨム・プラス」。
通称「カクプラ」。
高校2年生の私は1年前にカクプラに出会い、虜(とりこ)になった。
自分の名前「
始めは読者として沢山の面白い作品を読んだ。
半年前、恐る恐る自分の短編作品を投稿してみた。
しばらくは誰も読んでくれなかったけど、ある日「
初めての読者からの反応に、私の心は躍り上がった。
奈良さんとは、今ではお互いの作品を読み合う
その後いくつか短編小説を投稿している間に、「
その時、私の目は点になった。
コレ、何かの間違いじゃないの?
東京都庁さんって、いつもランキング上位にいるミステリー作家の、あの人だよね!?
東京都庁さんの作品は私もいくつも読んでいた。
私は東京都庁さんの作品の更新通知が入るたびに彼の小説を読んでいる。
応援スタンプや応援コメントも送っている。
恐れ多くも、上位ランカーにあらせられる、東京都庁さんから、憧れの
・・・・・・いや、東京都庁さんのが彼なのか、彼女なのかは知らないが、私の脳内では東京都庁さんはイケメンだ。
うん、別に根拠は無いけどそっちの方が女子高生の私としてはロマンチックだ。
東京都庁さんはその後も時々私の作品にコメントしてくれている。
コメント内容から、ちゃんと作品を読んでくれている事も分かる。
う、嬉しい!
嬉しすぎる!!
作品のコメントと言えば「
千葉さんはカクプラでは中堅作家のポジションで、私の作品を良く分析し、「こうすればもっと魅力的に書けるよ」とアドバイスをくれる事もある。
千葉さんは、まだ駆け出しの私としては頼もしい先輩と言った所だろうか。
それから、つい最近私の作品を読み始めてくてた人が2人いる。
1人は「オッキー」さん。
オッキーさんは応援スタンプや「面白い!」「良いね!」と簡単なコメントを残してくれる。
・・・ただ、オッキーさんが私の作品をちゃんと読んでくれているかどうか、たまに疑問に思う事がある。
私は基本的に短編作品をメインで書いているが、それでも長い作品では読了時間は30分以上かかるはずだ。
それをオッキーさんは2分位で全部の話に応援スタンプやコメントを付けてくれたのだ。
うーん。
そう言えばコメントもほぼ「面白い!」「良いね!」とか、簡単で短か過ぎて本当に私の作品を読んでくれているのかどうか怪しい気もする・・・・・・。
いや、悪く考えるのはダメだぞ、カナ!
多分オッキーさんは速読の達人に違いない!!
そして、これはつい昨日初めてコメントを貰った人なのだけど・・・・・・「
山城さんは基本的にコメントをくれる。
ただ、コメントと言うか何と言うか・・・・・・。
山城さんのコメントは私の作品の一部分をコピペして、それをそのままコメントしてくれている。
コレはどういう意味なのか私はしばらく考える必要があった。
結果、導き出した結論は、多分だけど山城さんが私の作品の「ビビッと来た」フレーズや表現、あるいは話の設定をコピペしてコメントしてくれているんだと考えた。
そう考えれば
この5人は私の事をフォローしてくれている。
小説初投稿から約半年。
半年で固定読者5人をゲットした訳だ。
うん。嬉しい嬉しい。
自宅にたどり着いた私は部屋に入るとパソコンを起動した。
今まで短編ばかり書いていたけど、実は今長編作品を書き進めている。
まだ全体の30%位までしか書いてないけど、思い切って最初の数話だけ投稿しちゃおう!
投稿ボタンをポチっと。
うーん、すぐには反応は無いのは分かっているけど、この瞬間がたまらない。
私はベットにダイブしてスマホをいじくった。
カクプラで気になる作品、読み進めちゃおう。
1時間位して・・・・・・カクプラの新着通知がある事に気が付いた。
早速誰かが私の作品、読んでくれたのかな?
誰だろう?
東京都庁さんだったら嬉しいな♪
もちろん奈良さんでも嬉しい♪
千葉さんの時は・・・たまにダメ出しされるからビミョーかな?
新着通知には、「
京都さん?
知らない人だ。
私はコメント欄を開いた。
そこには短く以下のコメントが書かれていた。
「この作品、盗作ですよ。」
━━━━━━━━━━━━━━━
現状
東京都庁:未登場
千葉:未登場
オッキー:未登場
奈良:未登場
京都:
━━━━━━━━━━━━━━━
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