怪ノ屋敷攻略班!~恐怖屋敷からの大脱出~

DITinoue(上楽竜文)

プロローグ ホラー好き少女

 私は太めの本を片手に、もう片方は手振りに使っている。そして、恐ろしい顔を演じて、友達にゆっくり、そっと話しかけるのだ。


「それでね・・・・・興味本位で女学生は唱えるの。ブラッディ・マリー、ブラッディ・マリー・・・・・途中でやめたくなる?」

 真っ青の顔で、友達はコクコクとうなずく。

「でも、彼女はやめなかった。勇気を振り絞って、『ブラッディ・マリー』と言っちゃいうの。彼女は目をつぶった。鏡から・・・・・」

「ねえ、花帆やめてよぉ・・・・・」

 友達の未空は泣き音を上げる。


「あれあれ、何も出てこないんだよ。これが成功すればユーチューバーとして成功をおさめられたと思うのに・・・・・彼女はとてもガッカリしましたとさ」

「なんだ、良かった・・・・・」


「・・・・・次の日の朝、気持ちを入れ替えに洗面所で化粧をしていました・・・・・自慢できないと思って、スマホはセッティングしていないの。そこに、鏡からとんでもない形相の少女が・・・・・『呼んだ・・・・・?』って言って出てきたのです・・・・・話はここでお終い」


 みんなは、顔を真っ青にして、何も言えずに立っていた。

「花帆!!!!もうやめて!!!!」

「え、いいじゃん・・・・・」

「花帆さん、あなたがホラー好き少女なのは良く知っていますが、みなさんが怖がるので、その話はよしましょう・・・・・」

 担任の松山先生が言った。メガネの奥の目は明らかにびくびくとした目だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る