究極に近い変態

「誰だお前!その恰好のままで行くつもりか!?」



盗賊キースは直球で訊ねた。


キッドと名乗る女性は、


「もちろんオッケーボイ?これはマッパー職最強の防具なのよなのよ~」


「持ってるスキルは?」


「風属性の魔法ねアンダスタンド?」


嫌な静けさがパーティーを襲う。


「で、でもキッドさんは10階までのマップを全部持ってるのよ?すごくない?」


「見せてみろ」


「オッケーボーイ」


「それやめろ」


「ホワイ?」


盗賊キッドは10階までの詳細なマップをしばらく眺めていた。



侍モンドが「どうっすか?」


と聞いてくる。盗賊はマップを机に放り投げ、ビールを一気に飲み込んだ。


「多分闇市で買ったんだろうが、信憑性が高いな」


「もちろん!あてくしは10階で経験値を1人で稼いでいるのユーノウ?」


「すごい!なんで1人だったんですか?」


「性格の不一致ですぐパーティーから外されるの。だから雇ってプリーズ!」


この恰好で10階ソロ狩りしてるキッドは、今までいた人の中で究極の変態に見えた。


「俺は実力だけ見るから、かまわないぜ」


「小生も問題なしっす」


「OKそうね。あとはピピンに相談して、カッティングエッジ団に加入させましょう」


「カッティングエッジ団!なんてハイセンスなパーティーでしょうユーノウ?」



ピピンの部屋にアリンと僕とキッドの3人で部屋をノックし、入室した。



「やあピピン。新しいマッパーを雇ったよ。10階までのマップを持ってるベテランよ」



「くぅ~助かります!あと1日くれたら回復しますので、僕は魔法使いとして頑張っていきます」


「初めましてナイストゥーミーチュウ!」


キッドは文字に表せないポーズをした。


そのポーズのしながら30秒ほどの沈黙が続いた。


「ま、まあこういう感じなんでね」


アリンは沈黙に耐えられず喋り出す。


「じゃ、じゃあまた寝ます。ごきげんよう」


そんな訳で、パーティーの中に1人入り、6人パーティになった!明後日からのダンジョンが楽しみだ。

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