新人ナターシャと初の5階潜り

パーティご一行は、ダンジョン1階に入ったのであった。


マッパー&魔法使いのピピンは5階の地図を広げながら何やらブツブツと呟いている。


それを眺めていた僕に忍者アリンは僕を後ろから両肩を乗せ、


「テレポって大変なんだよ?発動するとマス目と同じ位置に登ったり降りたりするの。だからテレポ先が石だったら、私達は石の中になってしまって死んじゃうの」


「そうですか、それは大変ですね」


僕は興味深くアリンの話を聞いていた。そして僕は思い出したかのように言う。


「あのービショップになるには、どのスキルを上げたらいいですか?」


「とにかくヒールスキルをマックスにして。そこからはまた教えてあげるから」


侍ミッドレイは、


「侍になったのはさすが俺ちゃんだな~!スキル『力』に振ってるからハンパ無しだぜ」


と言いながら侍ソードを振り回している。


忍者アリンは、元々忍者2人いらないと言う事でスキルを割り振りして無かった。だから忍者が外れても自身即忍者になれるのであった。


「ここがいいかな」


ピピンは良いテレポ場所を見つけたそうだ。


「じゃあ魔法陣に早めに入ってね」


そう言うと詠唱をはじめ、地面に魔法陣がにじみ出る。メンバーが次々と魔法陣に入り消えていく。


僕らPTは初めて5階にやってきた。僕は慌てながらトーチを使うと、とても明るくなる。


「雑魚敵の強さで、ここがいけるかどうかわかるぜ」


侍が歩くと、ガシャリと音を立てた。


「進みましょう」


盗賊ナターシャが歩き出す。


「おいナターシャ、弓矢がほんの少ししかないぞ。平気か?」


「魔法を使うと再度10本の矢が充填されるので、平気です」


それにしてもナターシャの落ち着きぶりはどうだ。やはり5階なんぞ手慣れたものと思っているのであろう。やはり相当の手練れだ。


先頭のトーチ役である僕は叫んだ。


「前方にリザードマンらしき3人発見!」


「みんな一旦下がっていてくださいね」


そう言うとナターシャは弓矢3発で3匹のリザードマンをしとめる!


「5階の雑魚なんて、きして気になりませんよ」


他のメンバー達は、引くほど強いナターシャにあっけにとられていた。ナターシャは弓矢を充填しながら言った。


「それより怖いのはトラップです。横から下から針が出てきます。私は盗賊なので解除はお任せください」


トラップ食らうのは1番前にいる僕じゃないか!大丈夫なのか⁉


「俺らの出番なくね?」


拍子抜けした侍が言った。


まだまだ5階攻略は始まったばっかりだ。

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