ゴミみたいな人生を終わらせ転生してレベル1の少年ヒーラーになったが、あえて地上戦闘に抗いダンジョンに光をともす

オーバエージ

恥しかないクソみたいな俺――

つくづく恥の多い人生をおくって来た。


太宰治だざいおさむを気取るつもりはないが、その通りなので俺はまさに人間失格だ。


今や過去やってきた仕事を網羅もうらする気も、もはや無い。


途中ですぐやめるから、ワートやセクセルなど何のスキルも持ち合わせちゃいない。


酒は体が受け付けないので1滴も飲まないが、煙草中毒だ。今も吸っている。で、貯金もできやしない。


かと言って病気ではないので役所にご厄介になる事も出来ないでいた。


いわゆる【じり貧】ってやつだ。もうこの世に未練はない。もし。もし来世があるのなら、堅実に生きようと思う。


「これで終わりだ…」そう言ってサイトで調べた絞首刑結びのひもを頭に差し込むと。足場を外して7分後、俺の人生は終わった。


かに見えた。


刹那、広い街の入り口に俺は立っていた。服装も白地に赤字のフードと、いかにも安そうなおあつらえ向きな杖を持っている。


(戦士…ではないよな)


横から強い風が吹いている。でも春なのか秋なのか分からないが心地よく思えた。


足元に割れたガラスがあったので見てみると、ずいぶん童顔なフード姿の自分がいた。


(これが…俺?)


入り口の門番2人がやってきて、


「君、君!レベル低いんだから、こんな所にいないで街のギルドでもいきなさい」


「ギルド…」


ギルドに行くと何がわかるのか。町周辺のスライムを一緒に倒してくれる仲間が居るとでもいうのか。


ヨロヨロしながら、俺は訳も分からないまま、街の中の喧騒へと消えていった。

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