ある日突然 僕らは兵器になった

こた神さま

第一章 始まり


気がついたら、僕は、戦闘していた。


訳の分からないロボットに乗り、ミサイルや爆弾、ビーム砲を敵に、打っ放す。


ロボットといっても、アニメで観る、カッコいい形ではなく、人型は人型だが、鉄に覆われた暑苦しい乗り物である。


もちろん、空を飛べるでもなく、高速で走れるわけもない。


ただ、ある程度の衝撃には、耐えられるようにはなっているようだ。


この戦いがいつ始まったとか、何故、こんな戦いをしているのかなど、覚えていない。


そして、いつ終わるのかも、分からない。


殺らなければ殺られる。


ただ、それだけのこと。


僕らの上官は言う。


「お前らは、兵器だ。兵器には、心はない。自分の死を恐れることもない。」


と。


もし、僕らが本当に兵器ならば、この思いは何なのだろう?


この虚しさと、死にたくないと思う気持ちと、血反吐を吐き、死んでいく敵を見て、いまだに、ブルブルと震える、この身体は、いったい、何だというのだろう?


僕らを兵器だと言うのなら、いっその事、この気持ちも失くして欲しいものだ。


不満、不安は限りなくあるけれど、僕らは、ただ、今日も、戦うしかないのだ。


そう………だって、僕らは、兵器なのだから。

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