第67話
扉の向こう側にいたのは……紺のブレザーがよく似合う、ごく普通の女子高生のようです。いや、こちらの世界には高校なんて存在しないので、女子高生かどうかはわかりませんけど、大抵の方は自身に一番関連している容姿を取るので……きっと女子高生なんでしょう。たまに、見た目が半身蛇だったりする人もいますが、そういう特例は……気にしないのが一番ですね。
「どうぞ、お入りください」
「さあさあ、こちらです」
「どうぞ、腰を下ろしてください」
お客様はそう言われるまで直立したままでした。律儀と言いますか……内気な方なんでしょうね。彼女はソファーの端に座ります。
「えっと、中央……どうぞ」
お客様に端に座らせるのは、流石に気が引けてしまいます。
「あ……いえ、端が落ち着くのでお構いなく」
そう言うと……彼女はソファーの端の、また端へとスライドしていきます。まあ、それでいいと言うのですから無理強いはしないでおきましょうか。ソファー中央には、
「は……初めまして。私は……
彼女はしどろもどろな感じに自身の名前を口にしました。
「
よし、これで自己紹介は済みましたね。コムさんの視線が
「本日はおいで下さいまして、本当にありがとうございます」
そう言いながら、
「ひ……す、すいません」
コムさんの視線に怯える栗原さん。まったく……ひどい人ですよね。許せませんよね。
それから……栗原さんが冷静になるまで
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
栗原さんと世間話をしていて、わかったことがあります。まず……彼女がこちらに来た理由は【圧死】らしいです。
他にも、栗原さんには
「えっと、栗原さんって……お腐れしていらっしゃいます?」
探りと言うには直球ストレートな聞き方ですが、ストレートな方が割と成功率が高い。これは
「あ……はい。腐ってます」
そう自白したのでした。
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