『泡風船』
──夢を見ていたかった。
醒めずに、泡のように消えいかない夢を。
幸せで幸福でたまらなくて、
ずうっと浮かんでいるような。
空飛ぶ船に乗って、皆と風を浴びたかった。
それも叶う。
皆と食事をする事も。
海や山に行って遊ぶ事も。
みんなみんな叶う。
こういう事がしたかった。
こんな事をしていたかった。
こんな夢を、いつまでも見ていたかった。
誰も私の元から居なくならない、
こんな夢を。
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