第6話 新しくできるようになったことと転職

 ――ここから、チャットルーム――

 雪菜の秘密部屋(鍵付き)

 雪菜

 いちー

 さてどうなんだろ。ここに招待はした。チャットの利用もその招待も出来るようになったみたい



 システム:アキちゃん派閥が招待入室しました


 アキちゃん派閥

 呼んでくれてありがとう、アキちゃんは無事か?

 かなりの押し合いだったようだが


 雪菜

 おー来た来た。早速アキちゃんね

 無事だよー、久しぶりに運動したって言ってた

 いやー? 普段も結構運動してますよー?


 システム:エリーさんが招待入室しました。


 エリー

 お邪魔しまッス! テスト招待とのことですけど呼んで頂いて嬉しいッスよー

 今回の大物も見てましたけどDV扱い不憫ッスね

 個人メールは出来るようになったんすか?

 雪菜

 ありがとー。DVって言ったら過剰反応したからねえ

 実際は結構切ない物語だったので短編にして売ろうかなと

 個人メールは出来るようになったみたいなんだけど未使用だね。今後使っていく

 そういや鍵付きだから一度出て入って貰っていい?

 パスは4321だよ


 システム:エリーさんが退室しました

 システム:エリーさんが入室しました


 エリー

 大丈夫ッスね! っておい、ディンゴもやれよ


 雪菜

 アキちゃんに悪い噂流そうっと


 システム:アキちゃん派閥が退室しました

 システム:パスワードが変更されました


 雪菜

 ぎゃはははは


 エリー

 おかしすぎッス!


 システム:アキちゃん派閥が招待入室しました


 アキちゃん派閥

 もうアキちゃんに会えないかと思うと死ぬ思いだった


 雪菜

 ごめんごめん(笑)これで試したいことは出来たよ

 キックは復帰まで時間かかっちゃうみたいだしね

 ローカルでおしゃべり出るってべんりぃ。これ作ったままでかまわない?


 アキちゃん派閥

 作り直しとけ、もうそろそろ名前を見てパス突破を仕掛けてくるやつが出てくる

 次作る際はチャットルームの名前とパスワードを変えておきな


 雪菜

 らじゃー


 ――ここまで、チャットルーム――


 ――ここから、ブロードキャスト――


 ディンクス:今こそアキちゃん派閥の元に集うべきが来たのだ!集まれ!アキちゃんのファン達よ!

 雪菜:うわ、入ったらいきなりうっさ

 信夫:クスリなら3層のバイオケミストリーまでー

 秋下華南:女売りまーす

 カナード:ボイスログの雪菜って雪菜?

 呵々:名前かぶりはないから雪菜かな

 システム:ジャーン:発言が禁止されました

 チョソフ:さすゆき。そっこー春買いちゃんが来た

 雪菜:けいじばんとは勢いが違う。さすがライブ音声

 ゼッター:けいじばんとか、今何年だと思ってるんだよ

 ユキヤナギ:けいじばんとか笑うわ

 デラビッシュ:けいじばんねえ

 雪菜:音もログもかぶりすぎ。けいじばん主体で行こうっと……お邪魔しました


 ――ここまで、ブロードキャスト――


 ふはー。以外とロートルなのね、私。現実だと首に拡張チップ刺して、防衛ドローンとかいっぱい飛ばしてるんだけどね。拡張メモリチップも刺してる。歩く100億部だからね。目に映す情報もてんこ盛りだし。逆に機械がないと何も出来ないってことなのかもしれない。


 ま、今は転職ですよ、転職。



「……はい、転職可能です。ええと、バグがあるお方なので、1人で転職させるのは危ないとの判断が出ておりまして、今から神殿内部で魔方陣を作ります。作り終え次第お呼びいたしますね」


 と、きれいなおねいさん神官様に言われたので待機。バグってるもんねー。


 待っている間スキルの購入について考える。お金は交易したいからあんまり使いたくないので、とりあえず3万バグポイントをどうするか。

 基礎スキルもうちょっと充実させようかな。

 銃剣あるし、切断力強化とか。

 カッター系の魔法弾とか撃てる銃手に入ったら活躍するよね。あるんだったよね、確か。

 Lv5まで習得。750ドルエン。

 ああそうだ、システムさんが少しだけ補助をしてくれるようになったんだ。魔力オーブを任せちゃおう。魔力オーブ保持・動作をLv5に。2まであがっていたので900ドルエン。

 他スキル同時使用はあって損はないので一個取ろう。10000ドルエン。これでLv3になって、次Lvは25000ドルエンか。

 あー、切断力取ったしマジックカッターとろーっと。Lv5で750ドルエン。次はスーパーカッター、スペシャルカッターか。とりあえずポイント温存で。

 森で結構遭遇戦があったのでレーダー魔法取ろう。一番質のいいやつはーっと、これ、探感知たんかんちか。探す探知、感じる感知。アクティブレーダーもパッシブレーダーも同時に行えるのか。Lv5まで一気に取得すると……、25000ドルエンか。んー。お金掛けないって言っていたけど取ろう。これで0ポイント。またバグ掃除を頑張ろう。


「雪菜様、準備が出来ましたのでお入りください」


 と、ちょうど準備が出来たようなので室内へ。厳かだなー。


 中央広間に数名の男女が立って待っている。


「それでは中央に大の字で寝てください」


 はーい。大の字になって寝転がる。


「では、始めます」


 お、おお! これは! ビリビリ! ジュワジュワ! ドックドク!


 そういうの一切来ない! 儀式始まってるんだよね??


 焦ってると、一瞬気が遠くなった。お?


「完了いたしました。成功です!」

「ありがとうございます。何が変わったのでしょうか」


 立ち上がりながら問いかける。


「それは私たちにもわかりません。ですが、大体の職業において取得可能スキルの増加と、既存スキルの取得条件の緩和が行われます。また、ステータスの上昇、各種成長率の上昇が行われます」

「既存、スキルの、条件緩和……ヤッチマッタ」

「お取りになってしまいましたか。よくあるやつですね。ただ回り道にはなりますがスキルは必ず取得できますので」

「なるほどー(わたしゃ買えば良いだけだしな)。ステータスってどこかで見られましたっけ」

「ステータスは、冒険者の館ですね。補正しかわかりませんが」

「ここで職業名はわかりますか?」

「あ、はい。それなら。えーと、天買課長、のようですね」

「なんじゃそりゃ……。そうですか、本日はありがとうございました!」


 そんなわけで神殿から帰還。

 したらなんんとおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!


 アキちゃんが尻尾三本になってたあああああああああああああああ!!!!!


「あ、アキあきちゃん、しっぽが、しっぽが」

「はい、ご主人様の力が上昇したので私も強くなりました!」

「はわわわかわいさもかしこさも倍増してるううううううう」


 思わずばんざい音頭。あ、そーればんざいばんざい、あ、そーればんざいばんざい。


「わーい、うれしいです!」


 ああ、この素晴らしさを共有しないと。ライドオン。


「皆さん見てください、アキちゃんが尻尾三つになってパワーアップしました!」


「いえーい、おしりふりふりです! しっぽふりふり!」


 爆増する視聴者数。飛び交う投げ銭。追いつかなくて止まってる簡易コメント欄。


「ちなみに私は転職して、おそらくステータスが上昇しました! なんか体引き締まった気がするし、魔力は確実に高くなってますね! マナも増えたかな!」


 あ、そーればんざいばんざい。あ、そーればんざいばんざい。


「よぉし、交易品買ってジダンに戻るかねえ」

「もうちょっとここで修行していきませんか? ジダンで修行は出来ませんし」

「それもそうだね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る