群雲の光芒

中島 世期

第1部 僕が大人でも子供でもなかった頃

プロローグ

 僕が大人でも子供でもなかった頃。


 軍港の海風に細い髪を揺らし、オレンジアイで僕を見つめるエプロンドレス姿の君は…。安心しきって僕の掌にうずくまる子猫のようだった。


「君のそばにいる事だけを求められる感覚」


 僕はそれだけを忘れなかった。君を知らずに…。



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この物語はフィクションです。

実在する人物、地名、団体等とは一切関係がありません。

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