Intolerance Silence
社会にも問題はある
でも何よりも個人に問題がある
社会はそういうものなのだから君が変わらないと
そうやって社会の問題はそのままに
社会に問題があるって考えてしまうのは危険なんだ
だってそしたらそんな社会を作ってしまっている自分自身に
問題が跳ね返ってくるから
お説教ごときで何かがどうにかなるなら
とっくにどうかなってる
それがわからないほどあなたは馬鹿じゃないはずで
でも何かを言わずにはいられない
じゃなきゃ無能になってしまうから
だから抽象的な感情論でまとめることにする
他には何もできないから
みんな楽に生きていたいのさ
一人の人間ときちんと向き合うのは疲れちゃう
だから一般論でまとめることにする
そしたら難しい話をしないで済むから
誰もが問題を抱えてる
個人的事情だったり社会的矛盾だったりを
だから“誰もが問題を抱えてる”と言ってしまえば
具体的解決策を悩まないで済む
誰もが悩み苦しんでいる
でもそれを告白するわけにはいかない
そしたら自分も攻撃されるから
だから沈黙を守ってる
そうして穏やかに人を殺してる
こう言っちゃなんだけど、でも言ってしまうけど
大抵の女性は”ちょっと弱い”ぐらいでいたがってるし
大抵の同性愛者は狭い世界でひっそり楽しんでいたいものだ
だから俺や彼女みたいなのは“ウザい”わけだ
しかしたとえ社会に不満があろうと動くことはできない
だってそういう空気じゃないんだもの
“だからこのままでいいんだろう”
ほら、どうせ社会の方は変わらないのだから
なおさら
女性がそうしていたいのは
同性愛者がそうしていたいのは
それが生存戦略だから
そうしてなきゃ潰されるから
差別とは個人的な心の問題ではない
“優しさ”とか“思いやり”とか“悪意”の問題ではない
差別は制度の問題であり習慣の問題である
つまり社会の構造の問題だ
あなたもゲイを差別している
そしてこのゲイの俺もゲイを差別している
そういう社会に組み込まれているから
だから、まずはその認識を得なければ
次のステップには進めない
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