第1話【電話番号が欲しい!!】

2022年2月初旬。

AYAが、ふとこう言った。

「やっぱり、スマホの電話番号欲しいよね~」

その言葉に、オレはこう答えた。

「いや。Instagramの件なら、ちゃんと家電にも番号送られてきたから、もう解決したじゃん?」

「いや…Instagramはね。でも…PayPayは、家電アウトだったじゃん?だから、“やっぱり、スマホの電話番号欲しいな~”って思って」


──そう。美由の悩み事の1つだった『Instagramのログイン』の件が解決したのだ。“スマホの電話番号じゃないと駄目”だと思っていたが、固定電話の電話番号でもOKだったのだ。

これは、オレ達にとっては大きな進展だった。



1階に降り、美由の母親に相談する。

「お母さん。“やっぱり…スマホの電話番号、必要かな~”って思って。契約し直したいんだけど」

「え?必要無いでしょ!」

「いや…。でも~。“何で就職の面接落とされるのかな?”って考えたら、“多分、履歴書にスマホの電話番号を書いてないからかな?”…って思って」

「関係無いと思うわよ」


「関係あると思うよ!!だって考えてみてよ!今時60代70代とかでもケータイやスマホを持ってる時代だよ!?そんな時代に家電しか持ってないって、“絶対怪(あや)しい”とか“絶対おかしい”って思ってるよ!!」

「関係無い!!しかも、スマホの料金は誰が払うのよ!?」

「いや、関係あるよ!!──もうイイ!!」


そう言って、またAYAは2階へ上がった。



「失敗した~」

「まぁ。それがフツーだよな」



しかし数日後。

この美由の母親とのやり取りが、思いもよらない展開になる──。

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