第16話 簿記の甲子園

 やあ、みんな! 俺っちだぞ。


 今回は簿記部について語ろうと思うから、よろしく頼むぜ。


 前回、この簿記部は過去に全国優勝したことがあるって言ったけど、そもそも、簿記のことを知らない奴もいるだろうから、簡単に説明するぜ。


 簿記とは、企業などの経済主体が、経済取引による資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することなんだ。


 どうだ、これでよくわかっただろ?


 えっ、もっとわかりやすく説明しろって?


 しょうがねえなあ。じゃあ、お前らにもわかるように簡単に説明してやるから、よーく聞いとけよ。


 簿記とは、お金や物の出入りを記録するための方法だ。


 これでわからなかったら、もう人間やめた方がいいぞ。ぎゃははっ!


 それで、この簿記の大会が夏にあるんだけど、その概要は、まず7月に各都道府県で予選を実施し、そこで一番得点が高かった高校が代表として、全国大会に出場できるんだ。


 この大会は野球にたとえて、簿記の甲子園なんて呼ばれてたんだけど、当の本人たちは、なんかこっぱずかしかった記憶があるな。ぎゃははっ!


 簿記部の顧問はとにかく厳しい先生で、いつも夜遅くまで練習させられてたんだ。


 運動部でもないのに、大会前には合宿までしてたからな。


 今考えると、俺っちもよく耐えてたと思うよ。


 そんな状況なものだから、部員たちの実力は日に日に上がっていって、やがて県では敵なしの状態になったんだ。


 それで俺っちが2、3年の時に出場した全国大会で2年連続で優勝して、なおかつ俺っちは、3年の時に個人の部でも全国で5位に入ったんだよな。


 その後、県知事に報告をするために、県庁に行ったんだけど、その時、俺っちが県知事と握手してるところが新聞に載ってさ。それをクラスの連中にいじられて、ホントあの時は参ったよ。ぎゃははっ!


 高校を卒業した後、俺っちは簿記関係の専門学校に特待生として入学するんだけど、それは次回に話すことにするぜ。

 

 じゃあ、みんな。あばよ!


 

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