第9話 誘拐された少女

零時、小学4年生の夏休み


母 ママーン(赤城百合)と

父 パピー(赤城輝雄)に連れられて半ば無理矢理に海に来ていた。


そして、スノー(半魔犬)も一緒である。


さぁ、着いたぞ~!


全員が車から下りた。


・・・魔王様、こうゆう時はワーイ♪と喜ぶのです・・・


・・・そ、そうか。では、・・・


ワーイ♪

・・・この世界の人間とは面倒くさいものだな・・・


・・・では、わたしめも・・・


ワンッ♪ワンッ♪(ワーイ、ワーイ♪)

スノーはしっぽをおもいっきり左右にふり、その場でクルクル回った。


海を生で見た零時(魔王コール)は驚いた!


赤くない!青いではないか!


そして、海に入ってから1時間余り経過した時、どこからともなく声がしてきた。


・・・誰か、ここから出して!お願い!・・


零時は辺りを見回した。が、海に入っている人は全員、楽しそうに泳ぎ遊んでいた。


零時は浮き輪に捕まりながら、集中をした。


・・・神様!お願いします。ここから出して!

ワンッ!(魔王様、声の主の場所を感知しました!)


スノーが吠える方へ零時は向かい、海を出ると砂浜を走り、道路側へ行き、スノーに着いて行った。


スノー!待て!まだ、服を着ておらんのだ!


そして、10分程、道路を進むと古そうな1軒家が見えてきた。


・・・魔王様、声の主の臭いはあの家からしています・・・


零時は、玄関ドアをそっと開け中を覗いた。


中は朽ちている床やボロボロになった壁で、人の気配がしなかった。


が、スノーが奥へと進み、口で和室にあった掛け軸をめくった。


掛け軸の奥には人が通れるくらいの穴が開いていて、更に奥へ進むと5歳くらいの女の子が身体をロープで固定されている姿が見えた。


お前、こんな所で何をしている?

隠れんぼ。とかゆうあの、遊びか?


女の子は半泣きで答えた。

誰?また、アタシをいじめるの?


質問に質問をするでない。


その時、入ってきた掛け軸側から男と女の声がした。


・・・魔王様、一旦、隠れましょう・・・


・・・何故だ?・・・


スノーに引っ張られ、近くに置いてあったボロボロの本棚の後ろに隠れた。


へっへ!お前の行き先が決まったぜ!明日、綺麗にしてやるからよ。こいつでも食っておけ。


イヤ!


男がバケツで少女に水をかけるとパンを1つ、少女の口に突っ込んだ。


そして、男は部屋を出ていった。


零時が、また少女に近づき話した。


ほほぉ、お主、奴隷なのだな!


少女は泣いていて何も話さなかった。


これでは、会話が無理だな。

零時が少女のロープをほどいた。


助けてくれるの?


おっ、話せるではないか!どうだ?俺の下で働かぬか?


少女は意味が全く分からずにいたが、助かりたい一心で、「助けて」とだけ呟いた。


名は何と言う?


成瀬 桃


零時の目が赤く光り、血が少し出ている右手を少女の口に持っていった。


飲め!我と血の盟約を結ぶのだ。


桃は零時の指を舐めた。


桃の目が赤く光った。


その時、また男の声がしてきた。


スノーがパワーアップを使用し、身体を大人の姿に変えると男達に向かって噛み付いていった。


わっ!何だ、この犬?


零時は桃の手をつかみ朽ちている壁の方へ走り出した。


風よ、我が力を受け入れ魔風となり命を受けよ!

ハリケーン!

零時の手から小さなカマイタチが生まれ、朽ちている壁に命中した。


朽ちている壁には穴が空き壊れた。


・・・やはり、まだまだ威力は小さいか・・


・・まぁ、ヨイ・・・


二人はそこから外へ脱出した。


スノー、戻れ!


零時は魔笛を使用し、スノーを目の前へ転移させた。


ワンッ ご無事で♪


お前もな。

さて、モモ、着いて参れ!


零時は母と父のいる海へ帰り、桃の事を話した。


零時、迷子の子はさ~、迷子センターへ連れて行きなさい。ママが案内してあげるから。


・・・イヤ!・・・


零時の目が赤く光り、母の百合の記憶を操作した。


さっ、そろそろ帰りましょ。


・・・?・・・


・・・ママーンの記憶を操作し、お前は我が妹として最初からいる事になった。これで我が命約はキレぬ・・・


・・・魔王様、ありがとう・・・


ね~、ね~、メイヤクって何?


俺がスノーと交わしたのは盟約。

つまり、魔力を共有するが、独自に動く事ができ、我が命令にも忠実になる。


そして、モモと交わしたのは命盟だ。

つまり、俺とは一心同体ぞ。我が死ねばお前も死ぬ。が、俺と同じ能力が使用可能になる。ただ、魔力だけは共有できぬ故、お前で強くなるがヨイ。


難しくて分かんない!


そして、赤城家は4人家族になった。


成果


成瀬桃→(改)赤城桃(5歳)女

誕生日 3月18日


レベル 2


と命約を結んだ。


零時(元魔王コール)10歳 男

はレベルが23に上がった。


スノー(半魔犬)8歳(人間歳)メス

はレベルが10に上がった。


次の週、桃の事がニュースでやっていた。


あら、うちのモモと同じ名前!可哀想ね~!


記憶操作をされている母も父も全く気付かなかった。



























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