おんなのことぼく
工藤行人
おもいだしたこと
本篇
あやこちゃん:おんなのこにおくりものをする
あやこちゃんはおんなじようちえんのおともだちだった。あやこちゃんはおべんとうにカレーライスをもってきたことがあって、ぼくはいいなとおもってた。あるひおへやにはあやこちゃんとぼくとはるえせんせいしかいなかった。あやこちゃんはまどのところで、これあげるってハンカチをくれた。きいろいふちどりがあるしろいハンカチで、いったんもめんときたろうとめだまのおやじがかいてあった。ぼくはようかいはかせといわれていて、いったんもめんがいちばんすきだった。こうさくのじかんにはいったんもめんばっかりつくってた。ぼくはさいしょこれはもらったらいけないものだとおもった。おかねがかかってるとおもったから。だから、あやこちゃんになんでくれるのってきいた。あやこちゃんはいいのあげるっていったからぼくはおれいをいってハンカチをスモックのポケットにいれた。ぼくはきづいてた。オルガンのまえにすわってたはるえせんせいがずっとにやにやしてたこと。おうちにかえってハンカチをおかあさんにみせたら、おかあさんはあしたあやこちゃんにおかえししようねって、ぼくをかいものにつれてってくれて、ぼくはそこでキキとララのピンクのハンカチをかってもらった。つぎのひのおむかえのとき、おかあさんはとうめいのふくろにキキとララのハンカチをいれてリボンをつけてもってきてくれて、あやこちゃんにわたしておいでっていった。あやこちゃんもママがおむかえにきてかえるところで、ぼくはちょっとはしって、ママといっしょにあるいてるあやこちゃんにこえをかけるのはすごくきんちょうしたけど、おもいきってがんばっておっきなこえで、すみませんってこえをかけた。あやこちゃんとあやこちゃんのママがふりむいて、ぼくは、これってキキとララのハンカチをわたした。あやこちゃんはそのあとすぐにさっぽろにひっこしていってあえなくなった。
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