怪獣が眠る星

レモン

ベリル

あれは19××年突如として現れた。

人を襲い、町を壊し、暴れ回るその巨大な生物はいったい何なのかだれにもわからなかった。

何時からいるのか、なぜ暴れるのか、誰にもわからなかった。

人々は怯えながら逃げ、その後ろでは町を壊す生物。

その姿は現存する生物に似ているものもいれば神話の中から現れたようなものまで形は様々だ。

最初の一匹はアメリカ、ニューヨークに現れた。

政府はすぐさま謎の生物に対応するが甚大な被害をその生物はもたらした。

なんとかその生物の息の根を止めたが怪獣を倒してすぐに別の場所に別の生物が現れた。

今度の生物は1匹目とは姿かたちが全く異なり地球上のどの生物とも一致しない姿をしていた。

その生物を倒すことにも成功はするがまたすぐに別の生物が姿を現す。

倒しても倒しても現れるその生物たち。

その1匹1匹が甚大な被害をもたらす。

世界の国々は団結し、謎の生物に対策すべく世界連合を結成する。

怪しいその姿、獣のような見た目人々は皆次第に謎の生物を怪獣と呼んだ。

しかし、次々と現れる怪獣たちの襲撃により人々は疲弊し人間たちは絶滅の危機に瀕していた。

その時だった。

今まで1匹ずつしか現れなかった怪獣がその時は2匹同時に別の場所で姿を現した。

1匹は4足歩行の姿をした怪獣、もう1匹は2足歩行で禍々しい姿で翼をもち額に1本の角が生えた怪獣だった。

2足歩行の怪獣は姿を見せてからしばらく天を見上げたまま動かないで静止していた。

二足歩行の怪獣には最低限の兵器を残し、後は4足歩行の怪獣に集中した。

4足歩行の怪獣は近くの国を次々と襲撃した。

その怪獣の背中には殻が存在しを人間が攻撃すればすぐさま殻に籠る。

殻は非常に硬く人間の技術ではどうにもできずにいた。

2匹の怪獣が姿を見せてから2日が過ぎたが4足歩行の怪獣は変わらず町を壊し、2足歩行の怪獣は静止していた。

ある時突然2足歩行の怪獣が翼を広げ飛び上がった。

向かったのは人間が多い町でも、建物が密集するところでもなく真っすぐ4足歩行の怪獣のところを目指していた。

そして2匹が合流すると信じられないことが起きた。

なんと、2匹の怪獣が戦いだしたのだ。

縄張り争いなのか何のかは未だに不明だが2匹は熾烈な戦いをした。

人間が攻撃すればすぐさま撃墜されただただ見ることしかできなかった。

先に致命傷を負わせたのは2足歩行の怪獣だった。

人間の技術でもびくともしなかった殻を粉々に粉砕した。

そして戦いは2足歩行の怪獣が勝利を収め倒した怪獣に向かって大きく咆哮をした。

勝利を収めた2足歩行の怪獣は戦いに勝つとなんと4足歩行の怪獣を食べ始めた。

街や人ではなく怪獣を襲ったことで一部の人間はその怪獣は救世主として崇めた。

しかしやはり怪獣は怪獣救世主ではなく破壊者だった。

2足歩行の怪獣は空を飛び人間の兵器を製造している場所や多くの兵器を所持している国や町を襲撃し始めた。

まるで知性があり狙っているかのように。

そして人間は怪獣に対応できるすべての兵器を無くし逃げ回ることしかできなくなった。

最後の一人になるまで。

その間にも別の怪獣は現れ人間がいない町を襲い、人がいれば襲った。

二足歩行の怪獣はまたしても別の怪獣を襲う。

そして、勝利する。

怪獣が現れては人は逃げ怪獣は人間を襲い、二足歩行の怪獣は怪獣を襲う。

人間はどんどん数を減らし今じゃ何人生き残っているのかもわからない。

分かっているのは解呪は人を襲い、町を襲う。あの二足歩行の怪獣だけは怪獣を襲う怪獣であること、それだけ。

あの二足歩行の怪獣が初めて現れた時一部であの怪獣の名前が呼ばれていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

怪獣が眠る星 レモン @lemosuka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ