「新約ロンドン橋落ちた」の読書感想文
亜未田久志
「新約ロンドン橋落ちた」
これは同名のナーサリーライムの改変SF小説である。舞台は宇宙歴120年。星と星とを繋ぐ惑星間航行ラインで起きた戦争の話である。そう、その惑星間航行ラインこそが「ロンドン橋」であり、題名の由来だ。その時点でオチは見えているように思えるが、どちらが勢力が勝つかまでは最後まで読まないと分からない仕組みになっている。片や共和国、片や帝国と、古ぼけた設定だが、そこに美少女AIとかが乗っかり現代風にアレンジも加えられている。その美少女AIが鍵だったりする。ロンドン橋落ちたに少女人身御供説があるのはご存知だろうか?その説になぞらえて、この小説は組まれている。燃える艦隊戦、血沸き肉躍る白兵戦、AIと人間のラブロマンス。これでもかと要素を詰め込み、しかし重すぎないライトな文体で描いている。締めの言葉がまたかっこいい。「ロンドン橋落ちた、ロンドン橋落ちた。けれど、戦士の魂は昇る、昇る」これほどかっこいい締めがあるだろうか?いや探せばいくらでもあるかもしれない、けどやるだけやってからこれをお出しされると感服せざるを得ないのだ。以上で読書感想文を終わります。
「新約ロンドン橋落ちた」の読書感想文 亜未田久志 @abky-6102
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