"中の人"なんていない。
那珂乃
令和四年
第1話 空白の7年間と初めての10万文字
2015年12月31日──
私が別名義で「小説家になろう」に投稿していた連載小説、その最後の更新日だ。
総文字数50,000字にも満たない。
3年ほど経った2018年にも、思いつきで2作ほど「プロローグ」のみが投稿されていた。本当にプロローグだけである。物語の続きは、下書きすらデータに残されていなかった。
2作とも、総文字数700字に達していない。
さらに3年ほど経った、2021年3月16日。
今からおよそ1年前のこと。
新しいTwitterアカウントを取得した勢いで、初めて「カクヨム」に登録した。今まさに小説を書いている「
同じく「小説家になろう」も名義を変え、新しいGoogleのアカウントを使ってなぜかホームページを作成し、同時に「YouTube」「Pixiv」「SoundCloud」など自分にとって目ぼしいサイトはすべて登録した。
……小説書きには馴染みがないかもしれないので付け加えると、「SoundCloud」というのは楽曲を自由に投稿できるドイツ製のサイトである。
そんな新しい「那珂乃」という名義を、およそ1年ほど放置した。
そして1年ほど経った2022年2月2日に、この名義を使って「小説家になろう」で初めて投稿した小説が──『ハルのメトリア』である。
『ハルのメトリア 〜英雄の子、ふたたび英雄となる?』
https://kakuyomu.jp/works/16816927861608630007
本当は1月中旬ごろから「カクコン」とやらに応募する目的で書きはじめたのだけれど、応募条件である総文字数100,000字という高い壁に阻まれ間に合わなかった。
(今はカクコンに間に合わなくて良かったと心底思っている。その理由はまた日を改めて書こうと思う)
ライトノベルの小説大賞に応募しようかとも考えたが、この小説は公募に出して数ヶ月後の入賞結果を待つよりも、とにかく早いうちに公開して人目に晒しておきたいという感情のほうが上回った。
そうして「小説家になろう」で公開する運びとなり、1ヶ月ほど毎日更新をしながら物語の続きを書いているうちに、いつのまにやら総文字数100,000字、そして200,000字を突破していた。
すでに第2章まで執筆を終えているため、現在は「カクヨム」への第1章の再掲をしている最中である。
──ちなみに。
ひとつの小説で「10万文字」を書いたのは、これが生まれて初めての経験である。
=====
2015年から2022年までおよそ「7年間」。
7年の間に幾度か起きた、小説を書きたいという自分の中の欲望が、いったいどうして起こったのか。
その理由ははっきりしている。
2015年も2018年も2021年も、そして2022年も──私という人間の"物語"の分かれ道だったんだ。
人生の"進路"と言ったほうがより正確に伝わると思う。
そんな大事な時期に限って、私は小説を書きたがる。小説なんか書いている場合ではない、単なる現実逃避じゃないか、と初めは私自身をしかった。
けれど、私ではなく、もうひとりの"私"が気がついてしまった。
「なあ、私よ。まだ気がついていないのかい? ……お前やっぱり、小説が書きたいんだよ」
……なるほど、そうだったか。
一度気がついてしまったからには、まあ、しかたがない。
=====
そして7年ぶりに小説を書きはじめて、1ヶ月が経った。
生まれて初めて利用した「カクヨム」という小説投稿サイトで、『ハルのメトリア』よりも先んじて投稿したカクヨムデビュー作がこれである。
『都市開発を舐めるな創造神!』
https://kakuyomu.jp/works/16816927860796608363
ひとまず流行に乗った異世界モノを書きたいという思いと、わりかし自分が詳しいだろう「都市開発ゲーム」というコンテンツを題材に書きたいという思いが交錯した結果である。
この小説についても、また日を改めて解説や自己分析をしていきたいが……とにかく私は今、書きたいものや何となく書かずに放っておいたものを一つ一つ書き進めている最中である。
何となく書かずに放っておいたものとはいったい何かというと──ライトノベルの小説大賞への応募だ。
これまで一度も「10万文字」を書いたことがないのだから、当然、小説大賞なんて応募すらできた試しがない。
……応募します。どうか応援してください。
そんなわけで本作『"中の人"なんていない。』は、那珂乃がこんな調子で書き殴って記録に残すためのエッセイもどきでございます。
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