私だけのヒーロー
荼八
私だけのヒーロー
「ハーハッハッハッハッハッハッ!!」
高らかな声が聞こえる 今時こんなヒーローは
流行らない 武器も何も持たずに ステゴロで敵を倒す私だけののヒーロー 私は彼に救われた
「何よっ!貴方が毎日毎日毎日毎日よっぱらってかえってきて 飯だのなんだの! もう毎日好きにしてよって言ってるじゃん!ほんっとにもういい加減にしてよ!」
「おれが稼いだ金だ!お前に何言われようが俺は俺の為に使うんだよ!あとお前の作る飯は全部不味い 不味すぎる!それにお前だよお前!さっきからそこつっ立っててよぉ!何がしてぇんだよ!」
いつもの事だった 慣れっこだった 最初はお父さんから乱暴をされ そのうちお母さんも私を庇うどころか お母さんまで私を殴り始めた お父さんは私をベランダに閉じ込めたり 浴槽に顔を沈められて窒息させられたこともあった
そんなある日彼は現れた 私の声に反応して
「もうやめてよ お母さん…お父さん…ひはっ……ごめんなさい ぶたないで下さい
たすけて…よ…… ハハ…ハハハッ……ハハハーハッハッハッハッハッハ!!」
ヒーローの声が聞こえる 私を助けに来てくれたんだ きっと今日もお父さんとお母さんをどうにかしてくれ………
血の匂いがした いつもお父さんに殴られたあとの血の匂い 頭が痛い ヒーローが居なくなった時はいつも頭痛がするけれど 今日はそれよりもっと重たい痛みがした 目を開けるとベッドの中で横になっていた 静かなリビングに出る 家中をさがしたが お父さんもお母さんも居なかった それとヒーローがきたあの日からは1週間が経っていた 私は今からどうしたらいいものかと 頭を抱えた でもお腹は不思議といっぱいで幸せな感じがした
私だけのヒーロー 荼八 @toya_jugo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます