ドロップ
@mikotouya
第1話
ここは何処だろうか。さっきまで自分の部屋で1人で寝ていたはずなのに、今俺は真っ白な部屋に居る。
こういう時はまず自分の状況を確かめないといけない。まず左手…動く。次に一応右手……動くだとッ!
「こんにちは」
誰がやってきた。
「とりあえず、そこに座って下さい」
目の前にはバカ高そうな椅子か1つ置いてある。
俺は遠慮なくそこに座り足を組んだ。
「ここは何処?」
「この世の延長線上で、あの世の1歩ほど手前です」
何を言っているのだろうか。
「何?アンタ誰?邪気眼電波女?」
少し怒った様に彼女は、
「私は天使番号39です。以後見知りおきを」
「俺も自己紹介した方がいい?」
「いえ、結構です」
天使番号39は手に持っていた謎の電子端末を少し触ると、
「貴方の名前は『さくら』で良かったですか?」
「あってるよ。よく見る『朔』に良いの『良』で朔良だ」
天使番号39は電子端末を仕舞うと唐突に
「貴方は、死にました」
「舐めてんのか?」
いきなり何を言い出すんだろうかコイツは?
「いえ、比喩とかでは無く、死にました」
だろうな。右手が動いている時点で気がつくべきだった。
「唐突に死んでしまったので、動揺していると思いま……何で嬉しそうなんです?」
「え?今から俺異世界転生するんでしょ?」
「何言っているんですか?異世界なんてありませんよ」
「嘘だッ!!」
「ほんとです。諦めて下さい」
「じゃあここは何処なんだよ!異世界じゃあ無いのかよッ!」
「もう一度言いますけど、ここはこの世の延長線上で、あの世から1歩ほど手前の地点です」
成程。ここは所謂天界ってやつか。
「これから俺はどうなるの?また人間としてリスポーンするの?」
「いえ、貴方には向かうべき2つの道があります」
「ブラックザバ〇?」
「はい?何が言いましたか?」
「いや、こっちの話だ」
スタン〇が出るか死ぬかって事か。
「1つ目の道は、今ここでの出来事を全て忘れ、また新しい人生を送る事です」
「成程。2つ目は?」
「2つ目の道は、守護霊となって、1人の少女を守る事です」
「は?」
まさかの自分がスタンドになるとは思わなかった。
「どちらにしますか?」
「ちょっと待て、1つ聞いていいか?」
「どうぞ」
「スタ…間違えた、守護霊ってのはどういう事だ?」
「それについてはお答え出来ません」
「?」
「そういった2つ目の道については、貴方が『やります』と言わない限り、何も教えることは出来ません」
「何か詐欺っぽい事言い出したな」
「すみません。規則なのです」
「禁則事項かァ」
未来人の口癖みたいな事言い出したぞ。
「もし俺が『やる』って答えたら?」
「サインしてもらった後で、責任者を呼びます」
「責任者?」
「はい。責任者です」
どうしようか…
「もし貴方のおかげで世界が救われたなら、貴方も我々と同じく『天使』になれます」
「天使だァ?てかそれよりも『世界が救われる』って何だ?」
「言えません。禁則事項です」
「天使になってメリットは?」
「人間は何度自殺しようと殺されようと、またこの地球に何らかの生物として生まれ落ちます。しかし、天使になった場合は関係ありません」
「それってメリット無くない?」
「そうですか?貴方の大嫌いな秩序って言う物は我々に通用しませんよ?」
「うーん」
「そして、失った部位はどれだけ輪廻転生を繰り返しても失ったままです。先天的な物でも、後天的な物でも」
「それは辛いな」
「はい。そしてトラウマとして自然とその物事から避けて生活しようとします」
「どういう?」
「例えば、『泳げない人』っていますよね?」
「ああ」
「『泳げない人』は今まで地球で生きてきた上で、水に関して大怪我や事故、死亡していて、自然とその物事から避けるのです。同じ死に方はしたくないからですね」
「俺の場合は炎を避けて今後の生活を送るのか?普通じゃあない?」
「貴方の場合、そうですね」
正直、世界を救うとかどうでもいい。でも天使になるってのは中々メリットがある。
「やるよ」
「本当ですか?」
「ああ。やるっつったらやる」
「分かりました。ではこちらにサインを」
電子端末を差し出さた。『朔良』っと。
「はい。ありがとうございます。今から責任者を呼びますので、少しだけ待っていてください」
「あいよ」
(体内時計)5分後
「お待たせしました。着いてきてください」
俺は裸足のままペタペタと天使番号39に着いて行った。
(体内時計)3分後
遠いッ!何時まで歩かせんだッ!って言おうとしたタイミングでかなり大きな扉の前に着いた。
「失礼します」
天使番号39はご丁寧にノックしたあと一礼し入って行った。
「お邪魔します」
俺も一応頭を下げて入っていった。
その部屋の中には1人のおっさんがいて、後は大量の本くらいしかない、
「君が朔良君だね」
「朔良っす」
1枚の紙を渡された。
「帰っていいよ」
「はい?」
「その紙は許可証。君が守護霊になることを許可する紙」
「ほうほう」
それを渡したからもうここに用はないってことか?
「失礼しました」
天使番号39はさっさか部屋を出てしまった
「失礼しましたッ」
俺も慌てて着いて行った。
(体内時計)3分後
また同じ部屋に戻ってきた。
「今から少しだけ説明をします」
彼女が話してくれた内容を要約すると、
1 今から俺が守護霊として憑くのは女子中学生のミリン
2 彼女はもうすぐ事故で自分の両親を失う
3 そのお陰で彼女は車関係の仕事に就く
4 彼女はそのうちにとあるヘリコプターを作る
5 それが無いと第三次世界大戦が始まってしまう。
6 理由
1 ロシア所有のヘリコプターが中国に落ちる
2 そこで戦争が勃発する
3 その余波で日本が滅びそうになり、アメリカに救援要請をする。
4 ロシアとアメリカの全面戦争が始まってしまう。
5 なんやかんやあって地球が亡びる
7 って訳でミリンを守らないといけない。
8 意外とこの世界には守護霊が存在する。
9 その守護霊の中には戦争が起こった方がいいと考えるチームも存在している。
10 そんなチームはこのミリンを殺そうと刺客を送ってくる
11 そいつらを全て叩き潰すと俺の仕事は終わりだそうだ。
以上。
「最後に聞いておきたい事はありますか?」
「…ない」
「本当ですか?」
「ああ、無いよ」
多分な。
「これは貴方の武器です」
ゴツイアッシュケースの中からは大量の銃器が入っている。
「何でこれWC〇みたいな見た目なの?」
「それはただのアサルトライフルです。あなたがいちばんイメージしやすい姿のアサルトライフルです」
「成程。俺がちょっと前までやっていたバイオハザー〇から来ているわけね」
せっかく宇宙一のパパクリアしようと頑張ってたのにもう出来ないのか。
「あの、いいですか?」
「あっ、すいませェん」
「これがハンドガンです」
「重いな」
「これがショットガンです」
「ゴツイな」
「これがナイフですね」
「…ナイフ?」
ナイフにしてはデカすぎる。普通に俺の肘くらいまで長さがある。
「予備のカートリッジはそれぞれ15個ずつ入っています。弾はどの銃も300発です」
「アサルトすくなくないか?」
クリ〇編のドラグー〇の弾すら足りなくなるんだよ。
「弾は足りなくなったら申請して下さい」
「どーやってだよ」
「通信の為のパスコードを決めましょう」
「?」
「私は貴方と脳同士をリンクさせる事が出来ます。そのリンクさせる為のパスコードを決めて置かないと、どのタイミングで私が貴方と通信すれば良いのか分かりません」
「成程。どんなパスコードが良いんだ?」
「貴方が言いやすい言葉でいいですよ」
「おれは人間をやめるぞ!」
「真面目にやってください」
「じゃあ俺があんたを呼んだらそれでいいんじゃあないか?」
「わざわざ天使番号39って呼ぶのですか?」
「いや、面倒だから『ミク』って呼ぶ」
「わ…分かりました。では最後にこの筒を左目に当てて下さい」
「こう?」
パンッと乾いた音がした。
「グギャァァァァアアアアアッッ!」
俺の左目が破裂した。
「何しやがるッ!」
素早くアサルトの標準をミクに合わせる。
「直ぐに治ります。もう一度筒にを目を当てて下さい」
「ざっけんなッ!」
「そんじゃないとあなたの左目は治りませんよ?」
俺は恐る恐る何も見えなくなった左目で筒を覗き込んだ。
ピンッと張り詰めた音がした。
「左目で周りを見て下さい」
恐ろしい事にもう左目は修復されている。
「貴方の左目を破壊し、私の左目を埋め込みました」
なんて恐ろしい事をするんだ。
ミクは左目に眼帯をつけた後、
「では、少し人間界へ行きましょうか」
ドロップ @mikotouya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ドロップの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます