【KAC20228】わたしにとってのヒーローは

狐月 耀藍

わたしにとってのヒーローは

 創作のヒーローというと、どんなものが思い浮かぶか。

 わたしなぞは「戦隊モノ」とか「赤と銀の巨人」とか「お面被りライダー」とかをイメージするのですが、「プリティーでキュアーな少女戦隊」も、ヒーローと言えるのかもしれません。

 強くて優しくてカッコイイ(カワイイ)主人公は、いつの時代も常にヒーローです。


「さっすが○○! 俺たちにできないことをやってのける! そこにしびれる憧れる!」


 というノリでおバカなことをやらかす輩をヒーローと持ち上げることもありますが、やっぱり「ヒーロー」というのは、大きな成果を残した偉大な存在であるべきなのでしょう。


 創作においては、ことライトノベルでは「強い主人公」が求められます。スローライフとかの皮を被っていても、農業をかじったことがある人間が見たら「ねーよ」と思うような超絶反則級の能力を、いとも簡単に付与されて、スローライフどころか村を経営するありさまなのは、巷にあふれる作品群を読めば分かります。「ヴィンランド・サガ」の一部で描かれたような開墾の苦労など、一瞬たりとも感じさせません。

「土に植えれば自動的に実が成る」ということ自体がすでに頭おかしいレベルのチートで……


 ゴホン。

 

 それはともかく、わたしは「ヒーロー」というと、そうした偉大な存在ばかりでなく、必要な時に、必要な手を貸してくれて、窮地を救ってくれた存在は、だれでもヒーローだと思うのです。「スカッと」日本、な番組がウケるのは、そうした小さな手助けが、わたしたちの心の支えになるからだと思うのです。


 ささやかな助けの手、それがどんなにありがたいことだと思ったか、そんな経験はないでしょうか。

 壮大な物語で壮大な活躍をさせなくとも、「この時、この場所で、あなたがいてくれた」という、ほんの小さな、けれどかけがえのない出会いを、主人公にさせてあげられたら、その周りの人間たちとの触れ合いを、心の絆を、より自然に、よりかけがえのないものとして描くことができる――


 そんなことを考えて、わたしは物語を織っています。

 魅力的なヒーローを、みんなでもっともっと描いていけると、それだけ世に素敵な物語があふれるでしょう。




 ええ、H.Nさん、あなたですよー! あなたはわたしにとってのヒーローです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【KAC20228】わたしにとってのヒーローは 狐月 耀藍 @kitunetuki_youran

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ