第6話 スキル

「ごめん、ネア、無理に話さなくていいよ」

「……ううん、大丈夫。……お母さん、連れて行かれて、わたし泣いちゃったの、そしたら『水のムダだから泣き止め』って言われたけど、わたし悲しくて……とめられなかったの」

「指示違反で減点ってワケかぁ、腐ってやがるなぁ」


 レイルのヘラヘラ顔が険しくなる。

 親が処刑されるのに泣くことも許されないのか。


「やっぱり俺はやっていけそうにないな、だが国外もダメとなると……手詰まりだな」

「そいえば、あんちゃんスキルあるの?」

「ああ、オバハンに『封印した』って、腕輪つけられたからあるんじゃないか? レイルとネアは?」


「俺様のスキルは『穴掘り』さ」

「衛兵を軽々だったから、戦闘系かと思ってたけど、以外に地味だな」

「基地は穴掘りなくして、完成しなかっただろうなぁ」

「悪かったよ、俺たちは穴掘りに助けられたわけだ。」


「わ、わたしは……『プラントマスター』です」

「どういうスキルなの? 葉っぱを食べたくなるスキル?」

「植物が好きなのはお母さんが好きだったからです……」

「鼻から草が飛び出しているのは趣味ってことか」

「転次郎君、意地悪です……プラントマスターは植物の効果がわかったり、成長スピードを変えられます」


「それより、あんちゃんのスキル封印気になるねぇ、スキルを封印できるものなんて、多くは持ってないハズだ。あるなら全国民に取り付けて管理するハズ」

「なんで、俺だけなのかが気になるか? 実は、よその世界から召喚されたんだ、労働力としてね」

「なるほどぉ、よそから割りのいい労働力を手にいれようって魂胆かぁ、そんで不確定要素のスキルを封印したと」


 理解できていない俺とネアの表情を見て、レイルは言葉を継ぎ足す。


「ネアちゃんみたいな子供の期間ない、即戦力が手にはいるが、勇者伝説ってのがあって、よそから召喚された人間は特別な力をもつって言い伝えられているから、とりあえず封印したんだろうって話さ」


「転次郎君は特別なんですね……いいなあ」

「ネアちゃんの草好きも特別感あるよ。あと腕輪は王族じゃないと外せなそうよ」

「なんでわかる?」

「だいたい特別な道具は王族の血によって管理制限しているのさ」

「初っぱなから逃げ出すべきだったか」

「過ぎたことを考えていても仕方ねぇ、とりあえず買い出しにいこうぜ、俺様喋りすぎで腹へっちまった」

「そうだな、ネアは待っていてくれ」

「……」


 植物の山に吸い込まれて行くネアは指で丸を作る。あれ? 植物増えてない?

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