少年A

興梠司

第1話

僕には名前がない、15年前殺人事件を起こし、現在30歳だが少年Aと呼ばれ続けている。僕には杉原元太という名前がある。それなのに少年Aとしか呼ばれない。

いつになったら杉原君と呼ばれるんだろうと僕は思った。


もう一度、30歳になって一度事件を起こせば少年Aではなく杉原と呼ばれるのかもしれないと。

「人を殺しました」と血まみれのまま警察署に乗り込んだ

警察署では元少年Aと呼ばれた。僕の名前は何処にあるんだ


週刊誌にも元少年Aとかかれ杉原元太という名前は出てこなかった

自分の名前を知ってほしかったのに自分の名前すら出てこなかった

僕は無駄に人を刺したのかもしれない


僕の名前は少年A

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

少年A 興梠司 @asahina0606

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ