対魔女防衛第陸部隊(休止中)
連夜
第1話 追憶
「逃げて。彼方(かなた)」
呼吸するだけで肺までヒビが入りそうな冷気が辺りを漂い、先ほどまで平穏に暮らしていた街が一瞬で消滅した。
暮らしていた施設も話していた友達も育ての親、そして誰よりも大事な存在だった彼女も、時間が止まったかのように凍り固まってしまった。
少年の目の前で。
「哀れな……一人逃したか」
泣き崩れる少年を、氷上から淡青の髪をした女が見下ろしていた。
その声に気づき、上空を浮遊するその存在に若年ながらも睨みを利かして大声を放った。
「絶対に殺してやる」
怒鳴り殺意を示す少年を横目に、その女は崩壊した街一つに少年を残して飛び去っていった。
数分後、救助隊が氷漬けにされた街に唖然とし、怒り顔のまま気絶していた少年と何人かの生存者を救出した。
それと同様の、後に「魔女の目覚め」と呼ばれる災事件がいくつか起こり、世間はこの世の原理と外れた力で破壊活動を行う「魔女」を危険視した。
それから10年経ち、世界の仕組みが変わり魔女に対して人類が一致団結する社会となった。
そして、少年は青年となる。
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